子どもの成長に伴い、マイホームの購入を検討している世帯もいらっしゃるでしょう。

都会に住んでいる方はマンションが当たり前に思うかもしれませんが、地方では一戸建てが多いのが現状です。

2022年8月2日、住宅金融支援機構は「2021年度 フラット35利用者調査」の結果を公表しました。

こちらによると、融資区分として多いのが土地付注文住宅(31.0%)、建売住宅(23.6%)、中古戸建(12.7%)、注文住宅(12.4%)、中古マンション(12.0%)、マンション(8.2%)と続きます。

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出所:住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」

出所:住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」

土地付きも合わせると、注文住宅の割合は43.4%にも上ります。間取りや内装を自由にプランニングできるという点から、コロナ禍でも人気を集めている注文住宅。

一方で、せっかくのマイホームを手に入れたにも関わらず、後悔を抱えている夫婦も珍しくありません。

今回は、京都に注文住宅を建てた30代夫婦の「ある後悔」を調査しました。家づくりを検討している方はぜひ参考にしてみてください。

注文住宅の後悔は予算の総額が把握しづらいこと

注文住宅の場合、マンションや建売住宅のように事前に金額が決まっていません。もちろん契約前にプランを練り、納得が行く時点で契約を結ぶのですが、その後の打ち合わせで費用はどんどん変動します。

京都で注文住宅を建てたSさん夫婦。駅前はマンションが多かったものの、子ども2人の成長を考えて、一戸建てを選択しました。賃貸マンションでは夜泣きで近所に迷惑をかけることも心苦しく、一戸建てを選んだそうです。

たくさんの住宅展示場に足を運び、納得のいくハウスメーカーに出会ったことで契約を結んだのですが、その後の打ち合わせでは思いもよらぬ費用が発生しました。

好きなキッチンメーカーは標準仕様ではなく、オプション価格に。アクセントクロスやクッションフロアもオプション扱いになるのです。

施主支給をしようにも、ハウスメーカーには嫌な顔をされてしまいます。結局、ハウスメーカーを通して発注するため費用は膨らんでしまいました。

さらに、外構(エクステリア)を他社で頼もうと思っていたSさん夫婦ですが、「よほど親しい業者との付き合いがあるという特別な事情がない限り、外構も弊社で行います」と言われてしまいました。

インターネットやSNSで「外構は複数の見積もりをとって安い業者を選ぶのが鉄則」と勉強していたにも関わらず、出鼻をくじかれたと感じたそうです。

情報はたくさんあふれていますが、実際のところはメーカーによって扱いが違うもの。特に工務店よりもハウスメーカーの方が、柔軟な対応はしてもらえないそうです。

予算がどんどん膨れることに不安を感じ、最終決定の段階ではあらゆるグレードを落とすはめになったSさん夫婦。

「契約前に標準かオプションかをもっと詰められていれば」と後悔したそうです。メーカーによって標準とするキッチンやお風呂などが異なるため、こだわりがある方は事前に調査したほうが良さそうですね。

土地から注文住宅を検討するなら優先順位に注意

「これはマンションや建売住宅にも言えることですが」と話すSさん夫婦。親から受け継いだ土地がある方や、土地勘のある場所に住む場合は別として、新しい土地に新居を構える場合は優先順位に注意すべきだと話します。

というのも、Sさん夫婦は2人とも電車通勤を行っていたため、できるだけ駅に近い場所で土地探しを行いました。

ようやく見つけた土地は狭めで、3LDKしかとれません。しかしSさん夫婦にとっては「駅に近い」が第一条件だったため、広さは諦めました。

結果的に、この選択に大後悔することになったのです。新居の引き渡しが行われてすぐコロナ禍となり、テレワークが主になったSさん夫婦。

さらに子どもが大きくなったタイミングで妻がフルリモートの会社に転職し、完全に自宅で過ごすことになりました。夫は車でも通勤できる会社なので、駅チカである必要性がなくなってしまったそうです。

「結果論」であることは間違いないのですが、もし今のタイミングで家を購入するのであれば、もっと駅から遠くてもいいので広い家にしたといいます。

なぜ広さが重要なのかについても聞いてみました。

注文住宅「間取り」での後悔ポイント

3LDKしかないSさん夫婦の家では、1階がLDKのみです。2階に寝室と子供部屋があるのですが、子どもの発熱やコロナの感染時に不便を感じたそうです。

というのも、家族が感染症にかかった場合は、自宅隔離する必要があります。Sさん夫婦の家で発熱者が出たとき、子供部屋に布団を敷いて隔離しました。

しかし、そうなると寝室とLDKしか空きません。また1階にしかトイレを設置していないため、階段の往復もしんどかったそうです。

コロナ禍になり「自宅隔離」の必要性が注目されるようになりましたが、子どもを育てる上で感染症対策は必須です。

コロナ以外にも気をつけるべき感染症はあるため、部屋の数やトイレの位置はもっと考えるべきだったと言います。

老後を考えると、1階に和室がある方がいいと言う方も多いですね。

間取りの後悔は水回りにも

もう一つ、間取りの後悔はあるようです。それが2階の水回り。実はSさん夫婦の家には、2階に水道がありません。

予算を削減するために行った仕様ではありますが、やはり2階にも水道はある方がいいと感じるそうです。

Sさん夫婦の家では、2階に洗濯機とランドリースペースがあります。これは重い洗濯物を運んで2階に持っていくのが苦痛のため、軽い状態で2階に運びたいというこだわりからです。

また共働き夫婦にとって、室内に干せるメリットもあります。こちらの家事動線は気に入っているようですが、室内干しには「除湿機」が必須です。

特に夏場は湿度が高いため、室内干しをすると隣のファミリークローゼットに影響が出てしまうので、毎日除湿機を利用するのだとか。

そうなると、除湿機の水を捨てるという家事が追加されてしまいます。階段の上り下りが伴うため、どうしても億劫になるそうです。

反対に、冬は加湿器をフル稼働させるため、その水の補充にも頭を悩ませているとか。2階建ての場合、2階にも水道が必要なのか一度考える必要がありそうですね。

今間取りを考えるなら取り入れたい導線

数年暮らしてみて、不便を感じるようになったSさん夫婦。もちろんマイホームには愛着があるものの、やはり後悔ポイントはいくつかあるようです。

これまで紹介したものに加え、他にもリストアップしてもらいましたので、気になる方は【画像】をご覧ください。

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LIMO編集部作成

LIMO編集部作成

予算の都合であきらめた物もあるようですが、建ててから選択肢に気づいたものもあるようです。ハウスメーカーは全ての選択肢を教えてくれるわけではないので、積極的に情報をつかみにいくことが大事ですね。

住宅購入は「早ければいい」とは言い切れない

Sさん夫婦は30代ということもあり、ローン完済の時期を逆算して「早くに購入しないと」と焦っていたといいます。

確かに定年退職後もローンを抱えるのはリスクがあるため、購入するのであれば早い方がいいという意見があります。

ただし、Sさん夫婦の場合は購入時点でまだ子どもが小さく、妻はパート勤めでした。その後正社員に転職し、収入もあがったそうです。

住宅は共有名義で購入しましたが、パートだった妻の割合は少なめに登録していました。そのため、正社員になってからは住宅ローン控除が満足に適用できているわけではありません。

購入時には今後の働き方が不明瞭であったため、仕方のないことではあります。しかし、ライフスタイルの変化によってお金事情は大きく変わります。「マイホームの購入には大きなお金が動くため、あらゆることを総合的に判断したほうが後悔も少なく済む」とSさん夫妻は言います。

住宅の購入にあたっては、正解や不正解と言えるものがあいまいです。家庭によっても違うでしょう。

後悔を避けるためにも、暮らしやライフプランをしっかり見据え、間取りや返済計画を立てることが重要なのです。

参考資料

LIMO編集部