繰り上げ返済の判断ポイントその1:住宅ローン減税

住宅ローンの繰り上げ返済について考える際に、まず注意したいポイントは「住宅ローン減税の有無」です。

そもそも自宅をすでに購入されている方で、ローンを組まれた方はすでにご存じの方も多いと思うのですが、まずは住宅ローン減税について解説します。

住宅ローン減税

出所:国土交通省「住宅ローン減税」

住宅ローンを組んで一定の要件を満たすマイホームを取得した場合、住宅ローンの年末残高又は住宅取得対価のうち、いずれか少ない方の金額に対し、所得税(一部、翌年の住民税)から10~13年間控除できる制度です。

新築の場合は令和2年10月~令和3年9月末まで、建売住宅や中古住宅等の場合は令和2年12月~令和3年11月末までの期間に契約し、令和4年12月末までに入居した場合は、特例措置で減税期間が13年間に延長されました。

また、令和4年度税制改正のポイントとして入居に係る適用期限を4年間(令和4年~令和7年)延長します。控除率は0.7%で、控除期間を新築住宅等は原則13年、既存住宅は10年です。

この制度をしっかり活用したい方は、借り入れ開始から10年、もしくは13年間は繰り上げ返済をしないほうが良いケースも出てきます。

2016年1月28日以降、日本はマイナス金利政策を導入しており、それ以降に住宅ローンを組まれた方や、それ以前でも変動金利を選択された方にとって、繰り上げ返済のメリットはほぼないでしょう。