年金減額に、値上げ…年代に合った対策を
ここまで70歳代の貯蓄や年金の受給額を確認しましたが、「シニア世代は裕福」というイメージ通りだったでしょうか。年金減額や値上げといった変化を考えると、いくらあっても安心とはなかなか言えない時代となりました。
貯蓄分布では貯蓄ゼロ世帯が2割と、世帯間で大きなバラつきがありました。これは70歳代に限ったことではなく、各世代でも収入や貯蓄額にはバラつきがあるでしょう。
20歳代であれば老後まで準備の時間がとれますが、退職を間近に控えた世代ではお金を貯める時間がとれません。
このように世代によって準備時間が異なるため、とれる対策も異なります。まずは自分たちの収入や加入している年金の種類、将来受け取れる年金額、退職金などを確認しましょう。老後の生活費をシミュレーションすることも大切です。
準備の仕方も、またとれるリスクも世代によって異なります。将来に向けて準備が必要な場合には、年代に合った対策が必要です。
年金や貯蓄を増やす工夫を考えたり、働き続けたりする一方で、日々の生活費を抑える工夫も必要でしょう。
準備時間は長い方が有利です。どのような対策が合うのか、情報収集から始めていただき、長い老後に備えていきましょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」
- 日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
徳原 龍裕