資産寿命を伸ばす工夫を
70歳代の貯蓄の真ん中である中央値を見ると、夫婦で1000万円、ひとり世帯で800万円でした。
たとえば月5万円貯蓄を切り崩せば、16年で約1000万円になります。もちろんそれ以外に旅行や趣味、付き合い、病気や介護など万が一の時の費用は必要になるでしょう。
できるだけ「資産寿命を伸ばす」工夫が求められます。
資産寿命を伸ばすためには、さまざまな方法があります。たとえば仕事を長く続けること。はじめの健康寿命と平均寿命の表によると、平均寿命に比べて、健康寿命の伸びが大きくなっています。
健康寿命と平均寿命:2010(平成22)年から2019(令和元)年の伸び
- 健康寿命:男性2.26年・ 女性1.76年
- 平均寿命:男性1.86年・女性1.15年
病気になれば働けなくなるだけでなく、治療にお金もかかりますよね。
健康を意識した生活をおくることで健康寿命を伸ばし、長く働くことで貯蓄が減るスピードを遅らせるのも一つでしょう。
とはいえ「セカンドライフを楽しみたい」「体力的に働けない」という方も多いでしょう。その場合、自身が保有する「お金」で工夫をすることになります。
たとえば年金の繰下げ受給をしたり、貯蓄の一部で運用をしたりといったことが考えられます。
ただし繰下げ受給が本当に良いのかは個人差があるもの。運用にはリスクがありますし、大切な老後資産になるので年代に合ったリスクでおこなう必要があるでしょう。
いずれにせよ情報収集をして、ご自身に合った方法を選ぶことが大切です。今回は貯蓄の平均をご紹介しましたが、ご自身のケースでこれからのマネープランを考えてみてくださいね。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」(2022年7月29日公表)
- 内閣府「男女共同参画白書 令和4年版」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果」各種分類別データ
宮野 茉莉子