8月15日は年金の支給日です。2ヵ月に1度、前月までの年金が振り込まれるという仕組み上、6月15日が2022年度分の初めての支給日でした。

8月は2度目となるわけですが、2022年度から受給額は0.4%の減額となっています。

ここ2年はマイナスが続いており、現役世代の方でも不安を感じる方は多いですね。

不安を感じたときこそ、具体的にその問題と向き合うのがおすすめです。わからないままでは、不安は募る一方でしょう。

0.4%減額とはなりましたが、全員が一律の年金を受給するわけではありません。ある人は月額20万円受給し、ある人は月額5万円しか受給していません。

お隣の人と同じわけではなく、個人差が激しいのです。

年金額の決まり方や月平均について見ていきましょう。

【注目記事】【厚生年金と国民年金】税金や保険料が天引きされると手取りはいくらになるのか

1. そもそも【厚生年金と国民年金】の違いとは

日本の年金制度は2階建てと言われています。

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出典:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)・厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとにLIMO編集部作成

1階部分は20歳以上60歳未満の方が原則加入する「国民年金(基礎年金)」。ずっと自営業や専業主婦だった方は、国民年金のみの受給になります。

2階に位置するのは、国民年金の上乗せして会社員や公務員の方が加入する「厚生年金」です。

2016年10月より、特定適用事業所で働き、一定要件満たしたパートの方も厚生年金へ加入できるようになりました。また2022年10月からは加入できるパートの要件が緩和されるため、ますます加入者が増えることが予想されます。

国民年金が一律の保険料を納めるのに対し、厚生年金では報酬比例制の保険料を納めます。この性質上、将来の受給額は「厚生年金」で大きな差がつきます。

この点を押さえた上で、実際の受給額を見ていきましょう。

2. 【厚生年金】月平均でいくら受給されているか

それでは厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2021年12月)を参考にして、まずは厚生年金の受給額をみていきます。

※2020年度末時点での金額のため、今回の0.4%の引き下げは反映されていません。

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出所:厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

〈全体〉平均年金月額:14万4366円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万3808円

※国民年金の金額を含む

2.1 厚生年金の月額受給額の受給者数

  • 1万円未満:10万511人
  • 1万円以上~2万円未満:1万8955人
  • 2万円以上~3万円未満:6万6662人
  • 3万円以上~4万円未満:11万9711人
  • 4万円以上~5万円未満:12万5655人
  • 5万円以上~6万円未満:17万627人
  • 6万円以上~7万円未満:40万1175人
  • 7万円以上~8万円未満:69万4015人
  • 8万円以上~9万円未満:93万4792人
  • 9万円以上~10万円未満:112万5260人
  • 10万円以上~11万円未満:111万9158人
  • 11万円以上~12万円未満:101万8423人
  • 12万円以上~13万円未満:92万6094人
  • 13万円以上~14万円未満:89万7027人
  • 14万円以上~15万円未満:91万3347人
  • 15万円以上~16万円未満:94万5950人
  • 16万円以上~17万円未満:99万4107人
  • 17万円以上~18万円未満:102万4472人
  • 18万円以上~19万円未満:99万4193人
  • 19万円以上~20万円未満:91万6505人
  • 20万円以上~21万円未満:78万1979人
  • 21万円以上~22万円未満:60万7141人
  • 22万円以上~23万円未満:42万5171人
  • 23万円以上~24万円未満:28万9599人
  • 24万円以上~25万円未満:19万4014人
  • 25万円以上~26万円未満:12万3614人
  • 26万円以上~27万円未満:7万6292人
  • 27万円以上~28万円未満:4万5063人
  • 28万円以上~29万円未満:2万2949人
  • 29万円以上~30万円未満:1万951人
  • 30万円以上~:1万6721人

全体平均は約14万円ですが、男性は約16万円、女性は約10万円と6万円もの差があります。

厚生年金は現役時代の報酬や加入期間に左右されると言いました。当時の女性は結婚や出産で退職する方が多く、加入期間は圧倒的に男性より短かったものです。

また賃金も男性より低かったため、厚生年金の受給額には男女差があると考えられます。

3. 【国民年金】月平均でいくら受給されているか

次に厚生労働省の同資料から、国民年金を確認しましょう。

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出所:厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

〈全体〉平均年金月額:5万6252円

  • 〈男性〉平均年金月額:5万9040円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万4112円

3.1 国民年金の月額階級別の老齢年金受給者数

  • 1万円未満:7万4554人
  • 1万円以上~2万円未満:29万3600人
  • 2万円以上~3万円未満:92万8755人
  • 3万円以上~4万円未満:284万2021人
  • 4万円以上~5万円未満:466万3638人
  • 5万円以上~6万円未満:776万979人
  • 6万円以上~7万円未満:1483万5773人
  • 7万円以上~:188万2274人

国民年金の平均は5万6252円ですが、6万円台を受給している人が多いようですね。

厚生年金の平均である14万4366円には、国民年金も含まれています。国民年金の平均5万6252円を引くと、8万8114円が厚生年金の単体の平均額ということになります。

厚生年金の男女差は約6万円。そして国民年金と厚生年金の差は約9万円です。

今のシニア世代の水準にはなりますが、国民年金と厚生年金では1年間で約105万円、20年間では約2100万円も差が出ることがわかりました。

4. 老後への正しい備え方

国民年金の平均額をみて、「これでは老後を過ごせない」と感じた方も多いでしょう。例え持ち家でも、月額5万円台の収入ではやりくりが難しいです。

さらに、将来は今よりも年金受給額が下がる可能性があります。物価があがるにも関わらず年金額が下がる今の日本において、自助努力は必須だと言えるでしょう。

とはいえ、今は教育費や住宅ローンで精一杯という方も多いですよね。

「何となく不安」を解決する第一歩は、現状の把握です。現状を知った今は一歩前に進んだことになるので、次は効率的な老後対策の選択肢を知っておきましょう。

今の生活で精一杯であっても、まずは情報収集することが重要です。

少ない年金の対策としては、「年金受給額をあげる」「自分で年金をつくる」「貯蓄を増やす」が有効になります。

4.1 年金受給額をあげる

  • 未納分を追納する
  • 年収をアップする
  • 厚生年金に加入する
  • 国民年金基金に加入する(国民年金のみの方)
  • 付加保険料を納める(国民年金のみの方)

4.2 自分で年金をつくる

  • iDeCoに加入する
  • 民間の個人年金保険に加入する

4.3 貯蓄を増やす

  • 先取り貯蓄で確実に貯める
  • 貯蓄型保険で保障と貯蓄をまとめる
  • 資産運用をはじめる

他にも選択肢があるので、それぞれのメリットやデメリット、さらには許容できるリスクを見極めることで、自分に合う方法を見つけてみましょう。

参考資料