ソニー生命が2022年7月26日に公表した調査結果によると、値上がりを実感したものは「食品」(63.8%)と「ガソリン」(60.7%)が突出して高くなりました。
各メーカーから相次いで値上げが発表された「食品」や、原油価格高騰で価格が上昇した「ガソリン」が上位に挙げられた恰好です。
現役世代の人はもちろん、定年後の年金生活で暮らす人となれば、さらに相次ぐ値上げの打撃は大きいでしょう。
このまま物価上場が続くかはわかりませんが、定年後60代以降はどうなるかという不安を持っている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、60代世帯のリアルな貯蓄事情を見ていきましょう。
1. 60代「貯蓄保有世帯」の平均は3000万円超に
まずは、60代で貯蓄がある世帯の金額を見ていきましょう。金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとにチェックしていきます。
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出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとにLIMO編集部作成
平均は3014万円となり、3000万円を超える結果になりました。思ったより多いと感じられる人もいるのではないでしょうか。
しかし、平均は一部のお金持ちに引っ張られやすく、より実態に近い中央値をみると1400万円となっています。「老後2000万円問題」が一時話題になりましたが、その金額にはかなり差があることがわかります。
2. 60代の貯蓄「ゼロ」「3000万円以上」ともに約2割
次に、60代の貯蓄について、金融資産がない、すなわち貯蓄ゼロ世帯も含めて見ていきます。
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出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとにLIMO編集部作成
2.1 60代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均:2427万円
- 中央値:810万円
2.2 60代の貯蓄分布
- 金融資産非保有:19.0%
- 100万円未満:6.4%
- 100~200万円未満:4.8%
- 200~300万円未満:3.4%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:2.6%
- 500~700万円未満:5.9%
- 700~1000万円未満:5.3%
- 1000~1500万円未満:8.4%
- 1500~2000万円未満:6.0%
- 2000~3000万円未満:9.6%
- 3000万円以上:22.8%
- 無回答:2.6%
金融資産非保有、貯蓄ゼロの世帯が19.0%の一方で、貯蓄3000万円以上が22.8%となり、貯蓄額に大きな格差があることがわかります。
現役時代のころから早めに貯蓄をはじめた人とそうでない人の差が如実に表れている結果とも言えそうです。
3. 50~60代の資産形成「株式投資」の割合が大きく
先述したソニー生命の調査によると、「最近の値上げラッシュで資産形成の必要性を痛感した」と感じた人について、『あてはまる(計)』は7割程度となりました。
その一方で、「効果的な資産形成方法がわからない」も過半数を占めています。
そこで同調査では、全回答者(1000名)にどのような資産形成を行っているかも調べました。
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出所:ソニー生命「家計防衛に関する調査2022」(2022年7月26日)
それによると、「預金・貯金」(69.7%)が突出して高くなりました。次いで高くなったのは、「投資信託」(21.7%)、「株式投資」(20.6%)、「外貨預金」(8.7%)、「貯蓄型保険」(8.5%)でした。
なお、年代別にみると、50代と60代では「株式投資」(50代28.0%、60代31.5%)が2位となっています。ある程度まとまった貯蓄を投資に回している人が年代が上になるにつれて増えていくことが読み取れます。
4. 60代で貯蓄3000万円以上を達成するために
3000万円の貯蓄がある世帯が、多くはないものの一定数存在することがわかりました。
年金支給や親からの相続に頼る部分もあるかもしれませんが、コツコツと貯蓄してきた人の成果が老後に表れるのでしょう。
日本の経済はこの30年間停滞しており、平均年収はほとんど増えていません。銀行の金利も下がり、「銀行にお金を預けておくだけで貯蓄が大きく増える」ことはなかなか望めません。
ただ、30年前にはなかったNISAやiDeCoなど、運用益が非課税になる制度もあります。こうした仕組みを活用して、早めに資産形成をはじめることを検討してみるのも重要です。
まずは情報収集から始めて、自分に合った方法を探してみてはいかがでしょうか。
参考資料
齊藤 慧
