2022年7月25日、中央最低賃金審議会にて、最低賃金の引き上げ額についての議論が大詰めを迎えました。
相次ぐ物価上昇などを踏まえ、最低賃金はいくら上がるかが注目されています。
円安や物価上昇の報道が多くなった今日、今後の生活はどうなるだろうかと不安に思う人もいるでしょう。とりわけ、年金を主な収入として暮らす高齢者の方にとっては大きな心配事でしょう。
そこで今回は、60歳代の単身世帯の平均的な年金や貯蓄額をチェックしていきます。そのうえで、65歳以上で退職したおひとりさまの月の赤字もみていきましょう。
60歳代「おひとりさま」平均貯蓄額の格差
まずは、60歳代「おひとりさま」の平均貯蓄額を見ていきます。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」をもとに、60歳代単身世帯の貯蓄分布をチェックします。
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出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和3年調査結果」をもとにLIMO編集部作成
60歳代・単身世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
平均1860万円・中央値460万円
- 金融資産非保有:28.8%
- 100万円未満:8.8%
- 100~200万円未満:4.0%
- 200~300万円未満:2.3%
- 300~400万円未満:3.1%
- 400~500万円未満:2.1%
- 500~700万円未満:5.6%
- 700~1000万円未満:5.6%
- 1000~1500万円未満:6.5%
- 1500~2000万円未満:4.2%
- 2000~3000万円未満:8.4%
- 3000万円以上:17.7%
- 無回答:2.9%
60歳代の単身世帯の平均貯蓄額は1860万円で、2000万円近くとなりました。
ただ、平均は一部のお金持ちに引っ張られやすいもの。より実態に近い中央値でみると、460万円となりました。
また、金融資産非保有、いわゆる「貯蓄ゼロ」世帯も3割弱いることも見過ごせません。貯蓄額には大きな差があるといえるでしょう。
定年後「おひとりさま」65歳以上の生活費の実態とは
ここまで、定年後の平均貯蓄額をチェックしてきました。
ここからは、老後の生活費の内訳を細かくみていきましょう。
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」より、65歳以上の単身無職世帯の家計をみていきましょう。
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出典:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」
- 実収入:13万5345円(うち社会保障給付12万470円)
- 消費支出:13万2476円
- 非消費支出(社会保険料や税金など):1万2271円
不足分:9402円
65歳以上の無職「おひとりさま」の月の収入は約13万5000円。そのうち、主に年金と考えられる社会保障給付は12万円になっています。
また、消費支出は13万2000円。
収入から支出を引いた月の赤字は9402円です。
次に、支出の内訳はどうなっているのかみていきましょう。
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出典:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」
- 食料:3万6322円
- 住居:1万3090円
- 光熱・水道:1万2610円
- 交通・通信:1万2213円
- 保健医療:8429円など
上記のうち、個人差が大きくなるのは、住居費でしょう。1万円台となっていますが、多くの人が住宅ローンを完済して、持ち家に住んでいることが影響していそうです。
もし老後に賃貸暮らしを考えている人は、これ以上に住居費がかかるでしょう。
また、保健医療についても、病気やケガなどで思わぬ出費となるケースも想定しておくべきです。
60歳代「おひとりさま」老後資金の柱「年金」の平均受給額を見る
ここまで、老後の貯蓄や生活費について見てきました。
老後の生活を支える大きな収入のひとつが年金です。
そこでここからは、みんな実際にどれくらい受け取っているのか、厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」よりチェックしていきましょう。
国民年金の平均月額
〈全体〉平均年金月額:5万6252円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9040円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4112円
厚生年金(第1号)の平均月額
〈全体〉平均年金月額:14万4366円
- 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
- 〈女性〉平均年金月額:10万3808円
※国民年金の金額を含む
おひとりさまの場合は受給額が1人分となりますので、年金のみでは生活が厳しい場合もあるでしょう。
また、受給額も個人差があります。
国民年金か厚生年金かで大きく受給額も違います。また、特に個人差が大きいのが厚生年金です。
これは、厚生年金の受給額は、加入期間や現役世代のころの収入によって決まるためです。
将来いくらもらえそうか、ねんきんネットやねんきん定期便を活用して確認してみることをおすすめします。
60歳代の貯蓄や年金をもとに老後を考える
今回は、特に60歳代の単身者に注目して、年金、貯蓄、月々の収支の平均を調べてみました。
これを機会に、平均的な金額を目安に、自分の場合はいくらか確認してみてはいかがでしょうか。
いろいろな分野で値上げが相次いでいますが、だからこそ、生活費を節約する工夫が必要なのです。
家賃や車の維持費、光熱費やスマホ代などの固定費は、家計に大きな影響を与えるものです。コスト削減のためには、まず、この部分を見直すことができないか考えてみましょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」
齊藤 慧
