投信1編集部によるこの記事の注目点
- GROUNDは、クラウド型物流プラットフォームの提供を行う2015年4月設立の企業です。
- 同社はニトリグループの物流会社であるホームロジスティクスが運営する西日本通販発送センターに、2017年秋までに約80台のロボットを導入する予定です。
- 物流ロボットの活用は、米アマゾン社など海外勢が先行していましたが、ここにきて国内でも事例が増えつつあり、アスクルもその1つです。
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GROUND(株)(東京都江東区青海2-7-4、電話03-6457-1650)は、(株)ニトリホールディングスの物流施設向けにロボットシステムを納入する。ニトリグループの物流会社である(株)ホームロジスティクスが運営する西日本通販発送センター(大阪府茨木市)に、2017年秋までに約80台のロボットを導入するもので、業務の効率化ならびに省人化を図る。
GROUNDは、クラウド型物流プラットフォームの提供を行う15年4月設立の企業。物流施設とロボットや人工知能といったテクノロジーの融合を進めており、業務提携しているインドのロボットベンチャー、GreyOrange社の自動搬送ロボット「Butler(バトラー、写真)」を活用したソリューションを提供している。
バトラーは可搬式の棚の下に潜り込み、作業者のもとに棚ごと商品を届けるロボットで、システムの提案事例では商品の棚入れ・ピッキングの工程に50人前後を配する物流センターにおいて、バトラー導入後はおよそ10人強で導入前と同等の生産性が実現可能という試算も出ている。
納入を決めたニトリは本件以外にも、Jakob Hatteland Computer社(ノルウェー)の倉庫型ロボットピッキングシステム「AutoStore(オートストア)」を川崎市の施設に導入するなど、ロボットを活用した物流業務の効率化へ積極的に取り組んでいる。ちなみにオートストアは(株)岡村製作所(横浜市西区)が国内代理店を務めており、同社は16年5月にGROUNDと資本業務提携を締結している。
物流ロボットの活用は、米アマゾン社など海外勢が先行していたが、ここにきて国内でも事例が増えつつある。アスクル(株)(東京都江東区)では、物流施設内のピッキング作業にロボットを導入。高性能ロボットコントローラーを手がける(株)MUJINと連携し、埼玉県の施設で実証を進めており、16年5月に稼働した横浜市の施設や、17年12月に稼働予定の大阪府吹田市の施設でもロボットの導入を進めていく。
投信1編集部からのコメント
投信1編集部では、各物流拠点で導入される物流ロボットが、アマゾンが運営する場合と比較してどのように競争優位があるのか、また各拠点でどのような最適化がされているかに注目しています。アマゾンが追求するような規模だけではない領域に競争優位を見出すことができれば、物流ロボットメーカーにも今後ますます展開の余地がありそうです。
電子デバイス産業新聞×投信1編集部
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