おひとりさまの老後に想定しておくべき5つの出費
家計調査で表された消費支出は平均的な生活をした場合の支出であり、各々の事情によってはまったく当てはまらない場合もあります。
老後にはさまざまなリスクがあり、それによって経済的に困窮することもあり得ます。
ただ、すべてのリスクを想定していたらお金はいくらあっても足りないことになるので、考え過ぎる必要はありませんが、次の出費は想定しておくとよいでしょう。
- 病気やケガでの出費
- 介護になった時の出費
- 認知症になった時の出費
- 長生きした時の出費
- 身辺整理の出費
おひとりさま老後の想定すべき出費1.病気やケガでの出費
病気やケガをしても公的医療保険で70歳未満は3割、70歳~74歳は2割(現役並みの所得者は3割)、75歳以上は1割(現役並みの所得者は3割)負担で済み、さらに高額療養費制度があるため、自己負担額が高額になった場合にも対処できます。
ただし、差額ベッド代や食事代、先進医療の技術代などは保険適用外となるため、別途自費で用意しておく必要があります。
おひとりさま老後の想定すべき出費2.介護になった時の出費
要介護認定を受けると介護保険制度の介護サービスを利用できます。利用した介護サービスに対して自己負担は1割(65歳以上の一定以上の所得者は2割または3割)であり、自己負担額が高額になった場合には「高額介護サービス費」が利用できます。
ただし、施設サービスを利用する場合には、食費や住居費、入居のための一時金は介護保険ではカバーできないため別途資金を準備しておく必要があります。
おひとりさま老後の想定すべき出費3.認知症になった時の出費
認知症は治療の場合は公的医療保険、介護認定を受けた場合は介護保険を利用できます。介護保険は、介護の度合いによって受けられるサービスに限度額が設けられており、それ以上のサービスを受けるには全額自己負担となります。
認知症はその性質から、身体的には問題がない場合もあり、介護状態は軽いのに介護費用は必要以上にかかってしまうケースがあります。
また、認知症が進むと日常生活に支障が出てきて、さまざまなミスを犯したり、場合によっては他人に損害を与えることもあります。
他人に損害を与えた場合の補償には「個人賠償責任保険」が有効です。損害保険会社などで取り扱っており、主に火災保険や自動車保険などの特約として加入できます。