4. 年金に頼らない、「今から」自分で準備する
ここまで国民年金・厚生年金の受給額分布を男女別に見てきましたが、平均年金月額は、国民年金は男女ともに5万円台、厚生年金は男女ともに10万円以上という結果となりました。
自営業やフリーランスなどの国民年金のみを受給予定の方については、付加保険料の納付、国民年金基金への加入、繰下げ受給などで受給額を増やす工夫の検討は必須と言えるかもしれません。
また、厚生年金に加入されている方についても、国民年金よりも手厚い受給額が期待できるとはいえ、現役時代の稼ぎには及ばない年金額であることをふまえ、足らないものは「今から」準備できれば安心と言えるかもしれませんね。
まずはご自身の資産状況を把握・整理するところから始めてみることをおすすめします。
資産の状況が把握できれば、そこから将来の生活費などをイメージしてみてください。そうすれば、今からいくら準備しなければならないのかが見えてくるでしょう。
まずは『登る山(資産運用の目標金額)』を決めてしまうイメージです。
登る山が決まれば、準備する道具(資産運用商品)も考えやすくなるのではないでしょうか。
低い山であれば軽装備(銀行預貯金など)でよいかもしれませんが、登る山が高いと重装備(投資信託など)を準備する必要があるかもしれません。
また、どんな山を登る場合も、「時間」には余裕を持つということです。どれだけ高い山も時間がたくさんあれば、安全を確保しながら山頂(目標金額)を目指すことができそうですね。
年金だけに頼らない老後を迎えるために、夏のボーナスの一部を活用し資産運用の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
参考資料
吉田 奈都子
執筆者
大阪体育大学卒。中学~大学とサッカー部に所属。社会人女子ラグビー経験もあり、日本代表候補選出歴のあるスポーツウーマン。引退後は日本生命保険相互会社にて、保険商品の提案業務など金融営業経験を積み、採用・育成担当としても一度に約100名の指導経験をもつ。前職のゴンチャジャパンでは新規店舗の立ち上げに携わるなど、フットワークの軽さが持ち味。現在は個人向け資産運用会社にて、マネーに関するコンサルティング業務を行っている。AFP(Affiliated Financial Planner)
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部 編集長室
LIMO編集部記者/元新聞記者
担当分野
金融と社会保障分野の専門知識を生かし、主に公的年金(厚生年金保険と国民年金)、公的年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、マイナンバー制度など幅広くカバーしている。
信頼性の高い情報源をもとに、政策の変遷や最新の貯蓄トレンドを掘り下げた記事も手掛けているが、難解な情報を分かりやすく伝えることを意識している。
また、退職金、資産運用や貯蓄、NISA、iDeCoなど、多岐にわたるテーマについて企画・編集・執筆している。
経歴
中央大学法学部を卒業後、東証プライム上場の大手IT企業でキャリアを開始。
その後、厚生労働省の記者クラブにて約3年間、医療保険制度や介護・高齢者福祉に特化した社会保障の専門紙で記者として働いた。
ここで社会保障分野に関する深い知識と実務経験を積み、複雑な制度の解説や政策を分析するスキルを磨いた。
現在は、株式会社モニクルリサーチが運営するくらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部にて、金融と社会保障分野に特化した記事を執筆している。
スタンス
信頼性の高い情報をもとに読者の皆さんに実用的で分かりやすい内容を届ることを大事にしている。
厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)などの信頼性の高い官公庁の公開情報を基に、読者が日々の生活や将来の計画に役立てられるようなアドバイスを心掛けている。
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最終更新日:2024年11月11日