厚生年金の受給額「月30万円以上」受給する人の割合は?

先ほどの受給額の分布状況から、年金月額が30万円以上の層の割合は、男性で全体の約0.17%、女性は全体の約0.007%となることが分かりました。

なお、男女合計でみると、上位0.11%ほどの人が該当する、という計算になります。「1000人に1人いる程度」、つまりほんの一握りのトップ層、といえるでしょう。

夫婦ともに厚生年金を受給できる世帯であれば、二人の合算でひと月30万円以上となる可能性はだいぶ高くなりそうですが、一人の受給額だけで30万円を超えるケースはかなり少ない、と考えてよさそうです。

「自分は年金を、どのくらいもらえそうか」

「厚生年金は国民年金よりも手厚い」というイメージは、もちろん間違いではありません。しかし、実際の受給額には年金加入期間や現役時代の収入が反映されますので、老後に受け取る額は人それぞれです。

グラフからもイメージできるように、男女間の格差、そして受給権者全体においても、年金月額には大きな幅があります。

また、内訳を詳しく見ると、年金月額が20万円以上の人の割合は男性で24.0%、女性で12.8%です。一方で10万円未満の人の割合は、男性で10.6%、女性で49.9%となりました。

「会社勤めで厚生年金に加入していた時期はあるが、現在はフリーランスである」「子育てとの両立のため、仕事のペースを落としたため、収入もダウンした」といったケースでは、想定したよりも受給額が低くなる可能性は大いにあるでしょう。

また、仮に60歳までしっかり厚生年金に加入していた場合でも、年齢とともに収入が上がっていくとは限りません。

将来の年金額の目安は、「ねんきんネット」や、「ねんきん定期便」で確認できます。老後を見据えたマネープランを立てる際の参考となるでしょう。