ペット関連費は15年で1.5倍。単身世帯では2倍超に
今、「空前のペットブーム」が到来していると言われます。
総務省が毎年行う家計調査において、年間のペット関連費(ペットフード、動物病院代など)の全世帯平均は、2000年が11,649円だったのに対し、2015年には16,967円と約1.5倍に増加。単身世帯に限れば、2000年に5,160円だったものが2015年には11,089円と、15年間で2倍に増えているのです。特に女性35~59歳の単身世帯では28,249円と突出した結果になっています。
出典:
総務省統計局ホームページ「家計調査年報(家計収支編)」
総務省統計局ホームページ「家計簿から見たファミリーライフ」
犬の飼育頭数は減少、猫は横ばい傾向
一方、ペットフード協会の「平成28年 全国犬猫飼育実態調査」によると、2016年10月現在、日本全国でペットとして飼われている犬猫の数は、合わせて1,972万5千頭と推計されています。猫は横ばいですが犬は年々減少しており、実はペットとしての犬猫の数はトータルで減っているのです。
犬猫の数は増えていないが世帯あたりのペット関連費は増加
犬猫の数は増えていないのに、世帯あたりのペット関連費は増えている。こう考えると、ペットというよりも、もはや家族の一員として、愛情もお金もかけて大切に育てられている犬猫の姿が浮かび上がってはこないでしょうか。
こうした傾向からすると「ペットともに生きる暮らし」はこれまでとは異なる新たなライフスタイルとも考えられます。では、この新しいライフスタイルをどういった企業が支えていくことになるのでしょうか。
好みに合わせて? 年齢で? ペットフード、ペットケア製品はどこまで多彩になるか
ペットの健康を守るうえで、日常の食事に気を遣っているという飼い主が多くなり、ペットフードの種類は子猫・子犬用、高齢ペット用、といった年齢別のものから、ダイエット用や猫の毛玉、下部尿路対応など、健康状態にあわせたもの、おやつまで多彩になりました。
また、室内で飼われるペットのためのトイレタリー製品、高齢ペットのための介護用品も種類が増えています。
ユニ・チャーム(8113)は事業の柱の一つに「ペットケア」を据えて、こうしたペットの食事・ケアをトータルでカバーしています。
また、マルハニチロ(1333)、日本製粉(2001)、日清製粉グループ本社(2002)などもグループで有する食品のノウハウを生かして、ペットフードを展開しています。
宿命ともいえる病を克服できるか 動物医薬品
ペットフード協会の調査では、犬の平均寿命は14.36歳、猫の平均寿命は15.04歳。高齢化に伴い、ペットにはがんなどの病気も増えているといわれます。
メニコン(7780)は、白内障にかかった犬のための眼内レンズを1997年に日本で初めて発売、2002年には犬猫用の治療用コンタクトレンズを発売するなど、動物の目のケアをリードしています。
大日本住友製薬(4506)は、犬向けの消化管運動機能改善剤や慢性心不全改善薬、フィラリア予防薬などを提供しています。
また、東レ(3402)は2017年1月、高齢の猫がかかりやすく、死因で最も多いとされる慢性腎臓病の治療薬を開発し、製造販売承認を取得したと発表しました。
長い年月を共に生きるために欠かせない動物医療と医薬品の世界も日々進化を続けています。
成長著しいペット保険
ペットが病気やケガをしたときに気になるのが医療費。ここ最近でペット保険が急増、使える動物病院も増えてきました。
ペット保険業界の草分け的存在であり、トップのシェアを誇るアニコムホールディングス(8715)の保有契約数は約63万件(2017年3月度)。
また、T&Dホールディングス(8795)といった大手保険会社から、NTTドコモ(9437)といった異業種も参入してきており、これからも大きく伸びていく可能性を秘めた業界だといえるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。現在ペット不可の住宅に住んでいるといった理由で飼えないという人も多いようですが、ペットブームの影響でこうした住居面でのハードルも下がっていくかもしれません。こうした相乗効果でペットと暮らす人が増えれば、ペット産業の活性化がより進むことも考えられます。今後も長期的に注目していきたいテーマです。
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LIMO編集部