4. 国民年金保険料を未納にするとどうなるのか
年金未納のリスクは、大きく3つに分けられます。
4.1 老齢年金が受け取れない
年金の保険料を未納にすれば、将来の年金額が減るどころか「年金の受給資格がもらえない」ということになりかねません。
現在は自営業でも、いつか会社員として働くことも考えられます。そこでは強制的に厚生年金保険料が天引きされますが、そもそも国民年金の未納期間が長ければ、年金の受給権が得られません。
厚生年金保険料も払い損となってしまうのです。
4.2 差し押さえの対象になる
保険料の支払いは法律で定められた義務なので、未納を続ければ税金と同じように対処されます。連絡をとらないなど悪質性があれば、最悪の場合差し押さえにもあうのです。
4.3 障害年金や遺族年金が受給できない
年金には「老齢年金」以外にも、障害を負った時や死亡した時の「障害年金」「遺族年金」という保障機能があります。
しかし保険料の未納があればこれらも受給できないため、万が一の時に生活が困窮するリスクがあります。
5. 国民年金保険料は確実に納付を
国民年金の納付率について、最新の調査が公表されました。最終納付率は78%ですが、未納にしている人の割合は1.6%です。
軽い気持ちで未納にするにはリスクの高い国民年金保険料。本当に経済的に苦しい場合は、免除や猶予の申請をしてみましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「令和3年度の国民年金の加入・保険料納付状況について~ 令和3年度の最終納付率は 78.0% ~」(令和4年6月23日)
太田 彩子