2022年度から年金額は0.4%引き下げとなりました。年金は2ヵ月に1度、前月までの分がまとめて振り込まれるため、6月15日に初回の年金を受け取った方も多いです。
減少していく日本の年金に対し、「老後に年金だけで暮らせるか」という不安を抱える方も多いことでしょう。
実は、老後に夫婦2人で暮らすとなると、日常生活費は最低でも月額平均22万1000円かかると言われています(生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」より)。
不安を軽減させるためにも、まずは現状を把握することから始めてみましょう。今のシニアが受給する年金を「都道府県」「年齢」別に細分化して確認することで、年金受給の実態に迫りたいと思います。
不安は「よくわからない」という状態によって増幅されがちです。年金の実態をクリアにすることで、課題を洗い出してみましょう。
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1. サラリーマンがもらう「厚生年金」の平均受給額はいくらか
まずは厚生年金について見ていきましょう。
厚生年金は年金制度の2階部分に位置する年金で、会社員や公務員であった方が加入しています。
そんな厚生年金の平均月額は、厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金・国民年金事業の概況」によると次のとおりとなっています。
1.1 厚生年金(第1号)の平均月額
〈全体〉平均年金月額:14万4366円
- 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
- 〈女性〉平均年金月額:10万3808円
※国民年金の金額を含む
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
全体での平均は14万4366円ですが、男女差は約6万円もあります。
厚生年金の受給額は、納めた保険料と加入期間で決まります。保険料は報酬比例制で決まるので、「給与が高かった人ほど年金も高くなる」傾向にあるのです。
そのため個人差が開きやすく、特に今年金を受給する世代では男女格差も大きくなってしまったのです。