日経平均株価は終値ベースで一時2万8000円台を回復

2022年6月10日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比422円24銭安の2万7824円29銭でした。

6日ぶりの反落ですが、前日までの5営業日で800円超上昇していたため、利益確定の売りが出やすい局面でした。週間では前週末に比べ62円あまりの上昇です。

9日までは5日続伸で、9日は終値ベースで2万8246円と、3月29日(ザラ場高値2万8252円)以来の高値水準となっていました。背景には、足元で円安・ドル高が進んでいることがあります。

自動車や機械など輸出関連銘柄が買われました。地政学リスクの高まりなどにより、原油高傾向となっていますが、むしろ、商社など資源関連株が伸びました。

今週の動きはどうなるでしょうか。

10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比880ドル00セント安の3万1392ドル79セントで終えています。

同日発表された5月の米消費者物価指数(CPI)の伸び率は前年同月比8.6%上昇でした。4月(8.3%)からさらに伸びが加速しました。

前月比も1.0%上昇と、市場予想(0.7%)を上回りました。インフレが加速することで、米連邦準備委員会(FRB)が秋以降も積極的な利上げを進めるとの見方が広がり、売られる展開となりました。

今週は14日~15日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれます。政策決定次第で株価が振られることになりそうです。

15日には、5月米小売売上高も発表されます。予想では前月比0.2%の上昇となっています。難しいのは、予想を上回るいい数字が出ると、かえって金融引き締め加速が懸念され、株式市場には下押し圧力となることです。

国内では16日~17日に、日銀政策委・金融政策決定会合が行われます。黒田東彦総裁は金融緩和を続けると発言しています。

こういったことからも、米株は軟調でも日本株は底堅い展開になることが予想されます。訪日観光客の受け入れが10日に再開したことからインバウンド需要の回復も期待されます。

ホテル、運輸、飲食など関連銘柄が買われる可能性があります。