アノマリーという言葉を耳にされたことはあるでしょうか。簡単に言うと株式市場における理論では説明できない現象のことを言います。
アノマリーで有名なものには、「1月効果」や「小型株効果」などがありますが、今回は「セル・イン・メイ(5月に株を売れ)」を取り上げます。5月に株価が下がりやすいというアノマリーは実際にあてはまるのか、またアノマリーを活用してどのようにしてリターンを獲得するのかを考えてみたいと思います。
5月に株を売るのは果たして正しいか
「セル・イン・メイ」をそのまま解釈すると「5月には株価が下落するので事前に保有株式を売却すべし」ということになります。
そこで、5月に株価が下落し始めるのかを確認するために、日本株を代表する株価指数TOPIXおよび米国のS&P500に関して、1970年から2016年まで47年間の5月と6月で株価が下落したケースがどの程度あったかを調べました。それぞれ月末時の株価で比較をしています。
結果はTOPIXが19回の下落、S&P500が20回の下落。したがって、TOPIXもS&P500も47回のうち半分も株価が下落してないことになります。
また、同様に各年の4月と5月で何回株価が下落したかも確認しました。その結果は、TOPIXが20回、S&P500が19回という結果となり、必ずしも5月に株価が下がるとは言えません。
では、「セル・イン・メイ」は株式市場でリターンを獲得するためには使えないアノマリーということになってしまうのでしょうか。
「セル・イン・メイ」と「ハロウィーン効果」を組み合わせてみた
ちょっと目線を変えて、ハロウィーン効果について見てみましょう。
ハロウィーンはご存知のように10月末にある西洋のお祭りです。最近は日本でも人気で、バレンタインデーをしのぐ勢いがあるようです。
株式市場でも「ハロウィーン効果」という言葉が頻繁に見られるようになってきました。これは株式投資をするなら10月が良いタイミングだということを意味しています。
では、ハロウィーンの時期に投資をするとどのようなリターンが得られるのか、気になりますよね。そこで、ハロウィーンに株式を購入して翌年の5月に株式を売却すると、どの程度リターンを得られるのかについて検証してみました。
先ほどと同様、TOPIXとS&P500に関して1970年から2017年4月までについて検証してみました(2017年については2016年10月末に株式を購入し2017年4月7日に売却する前提)。
驚くべきことに、結果はリターンを得られるのがTOPIXで33回、S&P500では38回となり、それぞれの勝率は70%と81%と圧倒的な勝率です。これは実に頼もしい数字ですね。
株式投資は実際は半年でよい。ロボットに運用させたい
こうして見てくると、株式投資は「秋に種をまき、春に刈り取る」という作業を繰り返していけば、効率的に運用できそうです。
このようなシンプルな投資戦略は機械的にロボットに運用させてみたいですね。最近は、AI(人工知能)を活用した投資も人気があるようです。ぜひ、こうしたポートフォリオもロボットに運用してほしいものです。
【参考】>>株式市場アノマリーの真実。セル・イン・メイというよりハロウィーンに買って5月に売れ-Longine
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青山 諭志