1. 年金制度のしくみをおさらい

まずは日本の公的年金制度のしくみをおさらいましょう。年金には「国民年金」と「厚生年金」が存在し、2階建ての構造をしています。

出所:日本年金機構

1.1 国民年金(基礎年金):1階部分

図の1階に位置する国民年金には、日本国内に住むすべての20歳から60歳未満の人が加入しています。

年金保険料は定額(保険料額=基本額1万7000円×保険料改定率)で、40年間すべて保険料を納付すれば「満額」が受け取れます。

納付期間が足りない場合、その分が満額から差し引かれるという仕組みです。ちなみに2022年度の満額は月額6万4816円と決まっています。

1.2 厚生年金(被用者年金):2階部分

そして2階にあるのが厚生年金です。厚生年金には、会社員や公務員等が「国民年金に上乗せ」する形で加入し、報酬比例の保険料を納付します。

納めた保険料や加入月数に応じた年金を受け取るため、高い報酬を受けたった人や長く働いた人ほど年金額が高くなります。

国民年金のように満額という概念はありません。

国民年金も厚生年金も、受給資格を満たすことで原則65歳から老齢年金が受給できます。