「公的年金以外」でできる備えとは
年金だけに頼るは難しいですが、まずは公的年金に視点を当てることも必要でしょう。今はパートの方も特定適用事業所で働き、一定要件を満たせば厚生年金へ加入できます。
厚生年金に加入する働き方をする、また年収を増やすためにスキルアップや転職を考えるということは特に30代では考えやすい選択肢です。
老後の生活を見据えて、家賃や車などの「固定費」をなるべく下げる暮らしを考えるのも一つです。たとえば車の維持費は大きな金額になるため、車を持たなくても老後生活できる場所を検討するのもいいでしょう。
貯蓄については、「収入ー支出」の差から生まれるものです。収入を上げる、もしくは支出をへらす工夫を考え、まずは月5000円からでも貯蓄をはじめましょう。貯蓄をする際には、自動的に貯まる「先取り貯金」がおすすめです。
万が一に備えた貯金ができれば、いま話題となっているつみたてNISAなどで一部運用をはじめるのもいいでしょう。運用にはリスクがありますが、つみたてNISAのような「長期・分散・積立投資」はリスクを抑えるのに向いている投資方法です。
運用は難しいイメージがありますが、金融庁が公表している「高校向け 金融経済教育指導教材」の中でも、長期投資・積立投資・分散投資は説明されています(2022年3月17日公表)。
長期投資は期間が長いほどリスクが下がり、利益も期待できる傾向にあるのですね。
公的年金以外で備える方法をいくつかご紹介していきましたが、どれが合っているかは個々人違うものです。また他にも仕事を長く続けることなど、方法はあるでしょう。
はじめから諦めるのでなく、まずは情報収集をして、自分に合ったものを探してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」(2021年11月30日公表)
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2021年12月)
- 金融庁「高校向け 金融経済教育指導教材の公表について」
宮野 茉莉子