「世帯年収1000万円超」なのに「貯蓄額100万円未満」はどれくらいいるのか
では、今回のテーマである、世帯年収1000万円以上でも貯蓄ができない、いわゆる「高所得貧乏」がどれくらい占めているのかをみていきます。
金融広報中央委員会が公表している、「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果」(金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)抜粋)を参考に、世帯年収1000万~1200万未満の層に焦点を当てると、以下のような結果となっています。
世帯年収1000万円~120万円未満の貯蓄額
- 100万円未満:14.8%(金融資産非保有者含む)
- 100~400万円未満:10.0%
- 400~700万未満:6.8%
- 700~1000万未満:5.2%
- 1000~1500万未満:13.2%
- 1500~2000万未満:8.0%
- 2000~3000万未満:10.4%
- 3000万以上:23.2%
平均値2361万円・中央値1200万円
「平均値」でみた場合、2000万円以上の貯蓄があるというデータが出ていますが、「平均値」を鵜呑みにしてはいけません。「平均値」は、一部の極端に大きな数値に引っ張られてしまいます。
「中央値」は、データを小さい順に並べた時に、ちょうど真ん中に来る値を示したもの。よって、「平均値」ではなく、「中央値」でみた方が、より実態に近いといえます。
つまり、世帯年収が1000万円~1200万円未満の層では、ちょうど真ん中の人で1200万円の貯蓄があることがわかります。
最も多いのは貯蓄「3000万以上」で23.2%と、およそ4世帯に1世帯です。その一方で、貯蓄が100万円未満の層も14.8%も占めています。
少数であるとはいえ、実際に「高所得貧乏」と言われる方が存在するのも事実でしょう。