「保育園と幼稚園」と子どもの学力の関係は?
保育園は乳児や幼児を保育することが一番の目的とされており「厚生労働省」の管轄です。一方、幼稚園は幼児の発達を促す教育施設で「文部科学省」が管轄となっています。
そのため、保育園より、幼稚園の方が学習面でのカリキュラムが整っていると考えるのが一般的です。
少し古いデータですが、2010年に文部科学省が行った調査によると、幼稚園に通っていた子どもの方が、保育園に通っていた子どもに比べて、学力が高かったという調査結果もあります。
国立教育政策研究所「平成22年度 全国学力・学習状況調査 報告書・集計結果」をみると、小6で国語Aの正答率は幼稚園出身者で85.4%、保育所出身者82.1%。算数Bでも、約5.0ポイント幼稚園出身者のほうが高い結果となりました。
中3でも国語Bは4.4ポイント、数学Bは6.3ポイント幼稚園出身者のほうが高くなっています。
この結果だけ聞くと、子どもを保育園に通わせようとしている共働きの家庭は、保育園に預けることを躊躇ってしまうかもしれません。
しかし、子どもの学力差は保育園か幼稚園かだけではなく、その他の要素も大きな影響を受けます。
たとえば、両親が揃っているかシングルの家庭か、毎日寝る前に本を読んでいるか、習い事や塾に通っているかなど、子どもの通う園だけではなく、子どもが育つ環境自体の方が大切です。
保育園と幼稚園では、そのカリキュラムの違いから学力差が生まれる可能性はあるかもしれませんが、それ以上に、子どもの学力に影響を与える要素があることを覚えておきましょう。