2022年度から、公的年金の受給額は減額となりました。
こうした背景もあってか、老後の貯蓄がいくらあるかに関心が集まっています。しかし、貯蓄の金額はあくまで平均。平均値は、ある少数のデータが大きく数値を引き上げてしまうこともあります。
極端な例ですが、孫正義氏などのような超お金持ちが含まれていたら、平均値を大きく引き上げる貯蓄額となるでしょう。
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2021年(令和3年)平均結果―(二人以上の世帯)」によると、貯蓄現在高の平均値は1880万円です。しかし貯蓄保有世帯の中央値は1104万円、貯蓄ゼロを含む中央値は1026万円となります。
「平均値と中央値」とは
たくさんのデータを集めた統計をわかりやすく表すためによく使われるのが平均値です。富士山のように左右に同じように広がって分布しているときには,平均値が実感に合っています。ところが,(上の)貯蓄のように,左側から右肩下がりのグラフになるときには,平均は必ずしも実感と合いません。このような場合には,額の低い方から数えた真ん中の世帯の額(中央値)を確認したり,世帯分布のグラフを確認したりすることが必要です。
(出典:総務省統計局「第5章 家計資産」より)
そこで今回は、貯蓄の中央値と平均値を年代別にみていきましょう。