2. 投資損失・貯蓄減少を招く行動①「知識を身に付けずに投資を始める」

まず1つ目は、「知識を身に付けずに投資を始める」です。

日本証券業協会が2021年10月20日に発表した日本全国の20歳以上の個人投資家5000人の証券投資に関する意識調査によると、「金融に関する教育を受けた経験がない人」は85.1%、「受けたと思うが、あまり覚えていない人」の5.4%を加えると90.5%にまでのぼることがわかりました。

出所:日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査【インターネット調査】(概要)」

 

また、教育を受ける機会があること自体も認知度が低い状況です。

出所:日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査【インターネット調査】(概要)」

出所:日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査【インターネット調査】(概要)」

 

学校での資産形成等に関する授業を知らない人は79.7%、証券会社等による授業支援を知らない人は86.5%にのぼります。

投資で求められる知識の中には、普段生活しているだけでは身につかないものも多いです。

知識のないまま投資をした結果、知らないうちにハイリスクな投資をしてしまったり、損が生じた時にどう対処していいのかわからず右往左往してしまったりする可能性は高くなります。

同調査では、「平均年収や金融資産平均保有額と金融知識の高さには相関関係が見られ、年収や金融資産額が低い人ほど金融知識が乏しい」ということもわかりました。

年収や金融資産が少ないために収益性を強く追い求めた結果、「未公開株の投資」などと称した詐欺に引っかかってしまうケースもあるかもしれません。

また、上記の相関関係はあくまで大数の平均に関するものであり、「年収や金融資産が多い人は金融知識が必ず高い」というわけではありません。

筆者が過去受けてきた投資相談の中にも、幼い頃から勉強やスポーツなどが万能、高学歴で、年収1000万円を超えるというサラリーマンで、無意識に「自分は何でもできる」という認識を持っていた方が、詳しく調べないままハイリスクな信用取引をし、貯蓄を大きく失ったというケースがありました。