住宅ローンを組んでいる人は、「繰り上げ返済すべきか」という点について考えることがありますでしょうか。
繰り上げ返済とは、ローンの一部もしくは全部を、当初の返済とは異なって一括で返済することです。
繰り上げ返済について、前倒しで返済することで金利負担分が軽くなる分、「そっちの方がお得?」と考える人もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、住宅ローンを繰り上げ返済するかどうかは、慎重に検討する必要があります。
今回は、元銀行員である筆者が、住宅ローンを繰り上げ返済すべきでない理由や注意点についてご紹介します。
1. 住宅ローン減税
ここで、住宅ローン減税についてお話します。
住宅ローン減税とは、住宅ローンを組んで一定の要件を満たすマイホームを取得した場合、住宅ローンの年末残高又は住宅取得対価のうち、いずれか少ない方の金額の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から一定期間※控除できる制度です。
※適用期間は新築の場合は原則13年、中古住宅の場合は10年
減税のメリットをしっかり享受したい人は、借り入れ後10年間(もしくは13年間)は繰り上げ返済しない方がよい場合もあるかもしれません。