障害年金を活用する
公的年金の加入中に病気やケガで障害状態となった場合は、障害年金を受け取れる可能性があります。
ちなみに、20歳未満で公的年金加入前に障害状態となった場合の障害基礎年金もあります。
障害年金の使い道は自由なので、障害者支援の費用に充てればヤングケアラーの負担が少なくなるでしょう。
障害年金の制度内容
国民年金に加入していた方は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた方は「障害厚生年金」が受け取れます。
ただし、次の要件に全て該当する方のみ受給可能です。
【障害基礎年金】
- 国民年金加入期間、または20歳前、もしくは日本国内在住の60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間に、障害の原因となった病気やケガの初診日がある
- 初診日がある月の2ヵ月前までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間※と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上
- 障害の状態が、障害認定日または20歳に達したときに、障害等級表に定める1級または2級に該当している
【障害厚生年金】
- 厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やケガの初診日がある
- 初診日の前日において、国民年金の保険料納付済期間※と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上
- 障害の状態が、次の条件すべてに該当していること。
- 初診日から5年以内に治っていること(症状が固定)
- 治った日に障害厚生年金を受け取ることができる状態よりも軽いこと
- 障害等級表に定める障害の状態であること
※厚生年金の被保険者期間・共済組合の組合員期間を含みます。
障害年金の申請方法
申請に必要な書類は、障害基礎年金・障害厚生年金で共通ですが、18歳到達年度末までの子供または20歳未満の障害がある子供がいる場合は多少異なります。
詳細は次の表にまとめてあります。
注意点として、障害基礎年金は障害等級2級以上の方が対象です。
国民年金に加入している方が3級と認定された場合は、障害年金が受け取れません。厚生年金に加入している方は障害厚生年金のみ受け取れます。
これまでに障害年金の申請が通った症例については、NPO法人障害年金支援ネットワークのHPをご覧下さい。
ヤングケアラーがいる家庭はすぐに相談を
ヤングケアラーが担っている責任も、公的介護保険や障害年金の利用で軽減できる可能性があります。
家庭内だけで抱え込まず、まずは自治体に相談してみましょう。
参考資料
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「ヤングケアラーの実態に関する調査研究のポイント①」
- 厚生労働省「ヤングケアラーについて」
- 公益社団法人生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設計」
- 日本年金機構「障害年金ガイド」
- 日本年金機構「障害年金を請求する方の手続き」
- 日本年金機構「障害年金を請求するとき」
- NPO法人障害年金支援ネットワーク「障害年金事例集」
小見田 昌