今年も気がつけば5月になりました。何とも季節の移り変わりは早いものだと実感する日々です。

この春から新社会人として働く人もいれば、逆にこの3月をもって定年退職して、セカンドライフを迎える方もおられるのではないでしょうか。

少し前までは、60歳に定年を迎え、セカンドライフを過ごす方も多かったようですが、近年では、65歳や70歳くらいまで働く人も増えているようです。

さて、「日本のシニアはお金持ちが多い」と言われているのを聞いたことはありますか。
しばしばこんな言葉が聞こえてくることがありますが、果たして真実の程はどうなのでしょうか。

今回は、そんな「日本のシニア世代」の中から、「70代以上」をピックアップして、貯蓄状況などをみていきたいと思います。

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70代以上の貯蓄状況は?

まずは、70代以上の貯蓄状況の現状をみてみましょう。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」から、まずは70代以上の貯蓄の平均値と中央値を確認します。

《70歳以上》金融資産保有額の分布(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 平均値:1786万円
  • 中央値:1000万円

「平均値」でみた場合、約2000万円近く貯蓄があるといった印象ですが、「平均値」を鵜呑みにしてはいけません。

「平均値」は、一部の極端に大きな数値に引っ張られてしまいます。
例えば、年収2000万円、500万円、200万円の社員が1人ずついた場合、「平均年収」は900万円になります。

これでは、あまり実態を捉えているとは言いにくいですね。
よって、「平均値」ではなく、「中央値」でみた方が、より実態に近いといえます。

「中央値」でみた場合、70代以上の貯蓄はおよそ1000万円であることがわかります。
では、次に貯蓄額の分布について確認してみます。