4月に入り、新生活が始まる中で、いろいろと出費が重なる時期。
貯蓄がなかなか進まない時、「勤務先が大企業だったら年収も高くて楽なんだろうな」と思ったことがある方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、大企業、中小企業の会社員の貯蓄の実態と、後悔しない投資・資産運用のコツも紹介します。
1. 大企業・中小企業の定義
まず、大企業と中小企業の違いについてご紹介します。
中小企業基本法が定義する「中小企業者」(さらには「小規模企業者」)の定義は業種によって異なります。
製造業・建設業・運輸業の場合は、「資本金(※1)3億円以下、もしくは従業員数(※2)300人以下」、サービス業であれば「資本金1億円以下、もしくは従業員数100人以下」といった具合です。
今回は、企業規模を「従業員数」で区分します。
※1 資本金の額又は出資の総額
※2 常時使用する従業員の数
2. 企業規模別の会社員の年収
総務省統計局の家計調査の結果を見るに、年間収入は勤め先の規模が大きいほど高い傾向があります。
2.1 世帯主の勤め先の企業規模別「年間収入」
- 10~29人:630万円
- 30~99人:616万円
- 100~299人:674万円
- 300~499人:754万円
- 500~999人:796万円
- 1000人以上:899万円
- 官公:844万円
平均:749万円
企業規模が30人未満の場合、年間収入は約600万円。
「1000人以上」と「官公」は平均800万円を超えます。
では、引き続き「貯蓄額」を見ていきます。
3. 企業規模別の会社員の貯蓄
では、勤務先の規模と「貯蓄額」の関係はどうでしょう。
3.1 勤め先の企業規模別の貯蓄額
- 10~29人:1081万円
- 30~99人:1118万円
- 100~299人:1024万円
- 300~499人:1286万円
- 500~999人:1327万円
- 1000人以上:1792万円
- 官公:1602万円
平均:1454万円
勤労世帯全体の貯蓄額は平均1454万円です。
企業規模「10~29人」の貯蓄額は1081万円であり、「1000人以上」は1792万円となっています。
年間収入と同じく、平均貯蓄額も企業規模と連動していることが分かります。
次に、貯蓄から負債を差し引いた「純貯蓄額」を見ていきましょう。
4. 企業規模別の会社員の負債・純貯蓄
勤め先の企業規模別の負債現在高は以下の通りです。
4.1 勤め先の企業規模別の負債額
- 10~29人:791万円
- 30~99人:639万円
- 100~299人:866万円
- 300~499人:748万円
- 500~999人:919万円
- 1000人以上:998万円
- 官公:953万円
平均:856万円
もっとも多いのは「1000人以上」です。
純貯蓄額は以下のようになります。
4.2 勤め先の企業規模別の純貯蓄額
- 10~29人:290万円
- 30~99人:479万円
- 100~299人:158万円
- 300~499人:538万円
- 500~999人:408万円
- 1000人以上:794万円
- 官公:649万円
平均:598万円
純貯蓄額がもっとも高いのは「1000人以上」でした。
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総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2021年(令和3年)平均結果―(二人以上の世帯)」第8-7表をもとに筆者作成
「30~99人」の純貯蓄額は、「500~999人」の層よりも多い状況です。
また、「10~29人」の層も「100~299人」より多い結果となりました。
5. 老後に向けた投資・資産運用のコツ3選
純貯蓄額について、企業の規模は理由にならないことがわかりました。
では、現状を踏まえたうえで、どのように資産を形成していけばよいのでしょうか。
そこで、老後に向けた貯蓄におけるポイントを3つ紹介します。
1. 世界株式への投資
投資するうえでまず考えたいのは、「その資産に成長性はあるか?」という点です。
一般的には、成長性の高い資産はリスクも同様に高くなりますが、それでも高いリターンを狙うのであれば、そのリスクを取ることが重要となってきます。
先進国は経済成長が熟しつつある一方、新興国も含めた「世界株式」というくくりでは、より高い成長性が期待できるでしょう。
2. 長期積立による長期運用
次に重要なのが、「長期・積立・分散」です。
金融商品の価格は日々変動しますので、大きな金額で一括で買うと、値下がりした際に大きな損を計上してしまう可能性があります。
一方、定期的に積立投資する場合は、価格が高い時には少量、価格が低い時には多量に買い付けます。
取得するタイミングを分散させることで購入単価が均され、値動きの影響を受けにくくなります。
3. 投資と保障のバランス
最後に、積立投資を長期で実践する場合、定期的な収入が前提となります。
積立に必要な資金がなくなった場合、資産運用そのものが継続できなくなってしまいます。
ケガや病気など、いつ何が原因でみなさんの収入がなくなってしまうかはわかりません。
ケガや病気などのリスクに備え、保険商品で最低限の保障を備えておくのも重要です。
6. まとめにかえて
いかがだったでしょうか。
忙しい中でも忘れたくないお金のこと。
ぜひ、参考にしてみてください。
参考資料
石津 大希
