賃貸住宅の「家賃」はどれくらいが適正なのでしょうか?不動産会社に「年収の3割ほどが適正ですよ」と言われたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、年収400万円だとすれば、3割は月々10万円。「ちょっと高い……」と感じる方が多いのではないでしょうか?
今回は、年収に対する「適正家賃」について考察していきたいと思います。
「適正家賃」は下降傾向に
ひと昔前まで、適正な家賃は年収の30%ほどといわれていました。しかし、昨今では「30%では高い」という考えが主流。20~25%が適正だといわれることが多いものです。住宅ローンの返済額の割合もまた年収の25%ほどが無理なく返済できる金額だといわれており、30%になってしまうとやや負担が大きいとされています。
適正とされる家賃が下がった理由には、伸びない年収、非正規雇用の増加、増税……これらによる収入の不安定化や家計負担の増加、将来への不安などが考えられます。
平均は20%以下
国土交通省の住宅市場動向調査報告書によれば、令和2年度の民間賃貸住宅入居世帯の世帯年収の平均は「486万円」で、家賃の平均は月額「7万6059円」。年収に対する家賃の平均比率は「18.8%」です。
実際のところは、過去5年間ずっと20%を下回っています。
さらに注目なのは、家賃の負担感。同調査では、家賃について「非常に負担感がある」と「少し負担感がある」と回答した割合の合計が55.1%と、半数を超えています。