育児介護休業法改正の背景と男性育休取得の現状
制度改正の背景には、男性の育休取得率が女性と比べて圧倒的に低いことが挙げられます。
2020年時点の育児休業取得率は、女性が81.6%に対し男性は12.65%と低調に推移しており、現行制度だけでは男性育休が取得しにくい現状が浮き彫りとなりました。
育児休暇の期間も男女で大きな差があります。女性は9割近くが6ヵ月以上取得しているのに対し、男性は5日未満が36.3%、8割が1ヵ月未満となっています。
しかし、男性側も育休が取得しにくい現実があります。厚生労働省の調査によると、育休を取得しなかった理由は次の3つが上位を占める結果となりました。
- 収入を減らしたくなかったから 41.4%
- 職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だったから、または会社や上司、職場の育児休業取得への理解がなかったから 27.3%
- 会社で育児休業制度が整備されていなかったから 21.3%
このように業務の都合や職場の雰囲気によって育休を取得しにくい現状を受け、業務と調整しやすい柔軟な制度や取得しやすい職場環境の整備が急務であると判断されました。
なお事業主が育休取得を拒否した場合は育児介護休業法第12章 雑則により、以下のような制裁措置が課されます。
- 厚生労働大臣からの報告要請、助言、指導勧告
- 違反会社名及び違反行為内容の公表
- 20万円以下の罰金