今年もリクルートスーツ姿の若者を街で目にするようになりました。就職活動が本格化してきているようです。就活生の皆さんは、来年の今頃はどのような会社に就職することになっているのだろうという期待と不安を胸に就職活動をしているのではないかと思います。

今回は過去に学生から人気が高かった企業が、その後どのようになったのかを追ってみたいと思います。

人気企業を振り返る意味とは

就職活動中の学生の間で人気企業が移り変わるというのは、ビジネス環境や企業自体の状況が変化するのですから不思議なことではありません。また、学生からしてみれば、その後の人生を長く過ごすことになるかもしれない企業選びは非常に重要な作業です。

そこで、2018年4月入社を目指して頑張っている就活生の皆さんの参考になるよう、20年前の1998年に各産業でどのような企業が人気だったかをまとめ、その後の業績や株価について復習してみたいと思います。

自分が選んでいる企業が20年後にどのような姿になっているのか、想像する機会があってもよいでしょう。

20年前の人気企業はどこか

毎年、様々な会社が学生に人気のある企業ランキングを公開していますが、今回はリクルートのデータをもとに見ていきましょう(注)

このデータでは1998年卒の学生に人気のあった企業が全体および文理系別に開示されていますが、今回は全体でのデータを中心に見ていきます。大学生の方にはなじみがないかもしれませんが、企業名の次に表示してあるカッコ内の数字は銘柄コードです。株式取引の際に使用します。

  • 民生エレクトロニクス:ソニー(6758)
  • 産業エレクトロニクス:NEC(6701)
  • 情報・通信:NTT(9432)
  • 運輸:全日本空輸/現ANAホールディングス(9202)
  • 保険:東京海上火災保険/現東京海上ホールディングス(8766)
  • 商社:三井物産(8031)
  • サービス:電通(4324)

以上が1998年に各産業でNo.1だった企業です。それ以外の企業としては、日本航空(9201)、三菱商事(8058)、東日本旅客鉄道(9020)、ベネッセコーポレーション/現ベネッセホールディングス(9783)、フジテレビジョン/現フジ・メディア・ホールディングス(4676)などがあります。

注:リクルート「就職ブランド調査」

20年前に人気だった企業の業績はどうなったのか

図表1は、1998年3月期と2016年3月期の各企業における営業利益の水準を指数化したものです。