国民健康保険料の支払いが困難になったら

日本は国民皆保険制度により、国内に住む全ての人は「健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療保険制度」のいずれかの医療保険に加入することが義務付けられています。

給料から天引きされる健康保険とは違い、国民健康保険は自ら納めなければなりません。そのため、収入が減ったり、途絶えたりして支払うことが困難になった時に、そのまま未納にしてしまうと、督促や催告が行われた後に通常より有効期間が短い「短期被保険者証」が交付されたり、1年以上滞納が続くと保険証を返還し代わりに「資格証明書」が交付されたりする場合があります。

そこで、保険料の支払いができなくなる前に、減額免除制度を利用しましょう。

減額免除制度

国が定める軽減制度と各自治体が定める申請減免制度があります。

国が定める軽減制度は、世帯主(国保加入者でない場合を含む)と加入している家族の総所得が、国の定める基準額以下の世帯が対象となります。基準となる所得金額によって、「7割、5割、2割の軽減」となります。確定申告によって所得が判明していれば、申請は不要です。

大阪市を参考に筆者作成

各自治体が定める申請減免制度は、申請が必要な場合があるので、お住まいの市区町村の窓口にお問い合わせください。

その他の軽減制度

「倒産・解雇、雇い止め等により退職した人(離職時点で65歳未満)」に対する軽減制度もあります。適用されると前年の給与所得を100分の30にして保険料を算出します。

この制度を利用するには申請が必要です。その際、雇用保険受給資格者証の写しが必要となります。

新型コロナウイルス感染症による収入減少による保険料の減免もありましたが、令和3年度の受付は終了しています。令和4年度については、現時点では実施の有無は未定となっています。

国民健康保険は、加入者が互いに保険料を負担することで、病気やケガの際に保険給付を行う制度です。そのため、保険料の支払いは義務となっていますが、支払いが困難な場合の対応策は国や自治体によって設けられています。

払えないからといって未払いのままで放置せず、まずは自治体の窓口で相談をしてみましょう。

参考資料

石倉 博子