株式市場の振り返り-FOMC通過でも模様眺め解消せず、日経平均株価は小幅上昇
2017年3月16日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 19,590円(+12円、+0.1%) 3日ぶり反発
- TOPIX 1,572.6(+1.3、+0.1%) 3日ぶり反発
- 東証マザーズ総合指数 1,051.8(+16.0、+1.6%) 4日ぶり反発
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:1,235、値下がり銘柄数:630、変わらず:139
- 値上がり業種数:26、値下がり業種数:7
- 年初来高値更新銘柄数:89、年初来安値更新銘柄数:1
東証1部の出来高は17億9,651万株、売買代金は2兆1,590億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。FOMCやオランダ選挙など重要イベントを通過したものの、盛り上がりに欠けた商いとなっています。基本的には薄商いが続いていますが、売買代金は4日ぶりに2兆円超えとなりました。
FOMC終了後にFRBによる利上げが実施されましたが、利上げペースが加速しないことから、一気に円高が進みました。こうした状況を受けて、日経平均株価は寄り付き後間もなく一時▲123円安まで下落しましたが、その後は徐々に切り返します。後場は一時+41円高まで上昇しましたが、その後は上値が重くなり、結局最後は小幅高に止まりました。
重要イベント通過後でもさほど上昇しなかったと見るか、円高でも最後はプラスで引けたと見るか、意見が割れるところです。ただ、1日の値幅(高値と安値の差)は約164円になるなど、膠着状態から脱しつつあることはポジティブに見ていいでしょう。なお、TOPIXも同じような値動きでした。
東証マザーズ総合指数は4日ぶり反発、売買代金は連日の1,000億円超に回復
東証マザーズの出来高は7,137万株、売買代金1,036億円となり、いずれも前日より減少しました。売買代金が連日で1,000億円超となったものの、相場全体に物色テーマ不足は否めない印象です。個人投資家も模様眺めに徹している様相が伺えます。ただ、総合指数は大幅上昇となり、4日ぶりの反発となっています。
コマツが4年弱ぶりに3,000円台回復、金融株や自動車株は安く引ける
個別銘柄では、ファーストリテイリング(9983)が大きく値を下げ、TDK(6762)やトレンドマイクロ(4704)も大幅下落となりました。
また、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)など銀行株が軒並み安くなり、日産自動車(7201)やマツダ(7261)など自動車株も冴えない動きとなっています。
その他では、日立製作所(6501)やパナソニック(6752)も下落し、東芝(6502)も大幅安で引けました。
一方、ソフトバンクグループ(9984)やファナック(6954)が値を上げました。さらに、コマツ(6301)が3年10か月ぶりに3,000円台を回復し、日立建機(6305)とともに年初来高値を更新しています。
また、ピジョン(7956)も年初来高値を更新するなど、内需関連銘柄の一部に見直し買いが入った模様です。その他では、スズキ(7269)やLIXILグループ(5938)が高値を付け、東証2部ではシャープが連日の高値更新となりました。
新興市場では、グレイステクノロジー(6541)とユーザベース(3966)が値を飛ばし、ドリコム(3793)も急騰しました。一方、窪田製薬ホールディングス(4596)が年初来安値を更新し、キャリア(6198)も大幅下落となっています。
青山 諭志