「老後2000万円問題」の3つの落とし穴

ここからは、「老後2000万円」の計算式における問題点を見ていきます。

まず、住居費が約1万4000円と低い金額で設定されていること。老後も賃貸で暮らす場合は、家賃分との差額を別途貯蓄していかなければなりません。

さらに、この計算式には介護費用も考慮されていません。程度の差はあるものの、介護が将来必要になる可能性は誰もが持っています。2025年には、5人に1人が認知症になるという試算もあります。

公的介護保険でカバーできない費用は、自分の貯蓄から取り崩す必要があります。

加えて、公益財団法人生命保険文化センターの意識調査によると、「ゆとりある老後生活」を送るためには、月々の生活費が36万1000円必要です。

こうした3つの落とし穴を踏まえると、老後は2000万円では心もとないことがわかります。

つまり、年金受給が原則はじまる「65歳」までに、貯蓄額をできる限り増やしていくことが重要です。