公務員でも老後は安泰とはいえない3つの理由

公務員であっても老後資金は自分で用意する必要性が高まりつつあります。

年金受給額はマイナス傾向にある

かつては待遇の良かった公務員の年金も、2015年10月からは厚生年金に統一されました。

また公的年金の受給額は、ここ2年マイナス傾向にあります。賦課方式である以上、今後も少子高齢化が進めば受給額が減る可能性は十分にあります。

さらに年金の受給額は現役時代の報酬によって決まるため、誰もが平均通りの年金を受給できるとは限りません。個人差があることに注意しましょう。

退職金は民間の水準に合わせられる

公務員の給与水準は、民間の動向に合わせて数年後に調整されます。コロナの影響で不景気となった企業に合わせ、国家公務員のボーナスも減少傾向にあります。

同じように退職金の金額も減ってしまう可能性は高いでしょう。今の働き世代が現在の水準を受給できる保証はないのです。

生活費の目安は個人差が大きい

先ほどの試算で使った支出額は、総務省の統計による平均値です。当然家族構成や居住地などによって支出額が変わるでしょう。

例えば項目別に確認すると、住居費が1万3310円になっています。ここには住宅ローン返済額は含まれていないので、ローンが残っている人は支出額が増えます。賃貸住まいの方も、家賃分の上乗せが必要になるでしょう。

医療費や介護費なども増えると予想できます。

このように、老後資金については不確定の要素が多く存在します。「たくさんもらえるから大丈夫だろう」とは楽観しすぎず、着実に資金を貯めておきたいですね。

参考資料

太田 彩子