サッカーを知らない?!サッカー専門誌の編集長

あの日、私の隣にはもう一人、遠路遥々東京から来ていた日本人のジャーナリストがいました。彼の正確な肩書きは、「サッカー専門誌の編集長」。サッカーを見るプロ中のプロ。少なくともそうであるべき立場の人物です。

しかし、あの日のグラウンドで試合を見ていた複数の記者とファン数十人の中で唯一、このサッカー専門誌の編集長だけがセリエAとCの違いを理解できなかった。

堅実な守備を見せていたセリエDチームの左SBを『あの選手が穴だね』と言ってみたり、他にも耳を疑うしかない言葉を数多く発していた編集長は、セリエCとDの試合の中にいる元セリエA選手の存在に最後まで気づかなかったのです。

それは実に不思議な出来事でした。だからこそ私はあの光景をいまだ忘れることができず、今にしてなお理由を理解できずにいます。

10歳の子供がわかることをわからない人物が、いったいどうしてサッカー専門誌の編集長を務めることができるのか。いくら考えても答えは見つかりません。

ところが現実には、こういう人物がサッカー専門誌の編集長として「日本代表」を語り、例えば、チャンピオンズリーグの注目カードを論評しているのです。

また、別のもう一人、こちらも某サッカー専門誌の編集長だという40代の人物は、あろうことかサッカーにおける「2対2の原則」を知らなかった。

こうした人々が論じる日本のサッカーメディアは、果たして今のままでいいのか。これから先どのような姿へと変化していくのでしょうか。

宮崎 隆司