もうすぐ入学・進級の季節。お子さんの塾について悩まれている方もいるでしょう。

年々過熱する、中学受験。人気のある塾であればその席を確保するために、低学年から入塾するという話も聞かれます。一方で、近くに私立中学がない地域では、全く別世界の話のように感じられるかもしれません。

筆者は大阪在住ですが、子ども達の通う小学校では毎年およそ1割の生徒が私立中に進学しているようです。ただ、地方出身でもある筆者自身は、小学校から高校まで公立校に通い、周りの友達も大多数が公立校を選ぶことが当然という環境だったこともあり、地域による教育環境の違いを痛感しています。

経済産業省の「平成30年特定サービス産業実態調査報告書(学習塾編)」では、都道府県別に学習塾にかかるお金を調査しています。学習塾にかかる費用も、地域によってずいぶん違いがあるよう。

都道府県別での私立中学に通う生徒の数と合わせて、学習塾にどのくらいお金がかかるものなのか詳しく見ていきましょう。

学習塾の費用が最も高い都道府県は東京で年間「48万2218円」

全国には4万6734の学習塾があり、312万1984人の生徒が在籍しています。学習塾全体の年間売上高(学習塾業務(主業))は9833億9700万円。単純に学習塾全体の売上を在籍する生徒数で割った概算金額は「31万4991円」です。

同様に都道府県別で算出したところ、以下の通りになりました。

経済産業省の「平成30年特定サービス産業実態調査報告書(学習塾編)」を参考に筆者作成


最も高かったのは東京で「48万2218円」、次いで神奈川「42万1787円」、埼玉「38万6243円」、京都「36万2490円」、千葉「34万6659円」、奈良「34万1502円」、兵庫「33万4138円」、大阪「33万431円」、福岡「32万7669円」、滋賀「30万9107円」。

上位10位までの都道府県は、学習塾に年間30万円以上も支払っていることが分かります。

一方で、学習塾費用が最も安かったのは岩手で「17万1255円」。次いで新潟「17万5228円」、秋田「18万8299円」、長野「19万592円」、鳥取「19万2218円」富山「19万6311円」、三重「19万7026円」、山梨「19万7932円」青森「19万7935円」、沖縄「19万7949円」。こちらの学習塾費用は年間で20万円未満に収まっています。

また最も高かった東京と最も安かった岩手では、30万円以上も差があることが見て取れます。

学習塾に通うタイミングは人それぞれですが、通う時期によっても学習塾の費用に違いがあります。

学習塾の売上を在籍する生徒数で割った概算金額は小学生が「23万2407円」、中学生が「33万761円」、高校生が「50万2099円」。年齢が上がるにつれて費用は増加します。大学受験を控えた高校生をもつ家庭では、かなり費用負担が大きいことが窺えます。

それでは次から、小学生、中学生、高校生で学習塾にかかる費用を都道府県別にトップ10までご紹介します。