日清オイリオグループは2022年4月1日の納品分から、家庭用の食用油を1キログラム当たり40円以上値上げすると発表しました(2022年2月17日公表) 。日常に欠かせない食用油の値上げは家計に響きます。

特に年金生活に入ると収入が限られるため、相次ぐ食料品の値上げが与える影響は大きいでしょう。

人生100年時代といわれる現代では、70代でも老後が約30年間です。2022年4月には、年金の繰り下げ受給が75歳まで拡大されます。今回は70代の貯蓄をながめながら、実際にみんな何歳から年金を受給したいと思うのかをみていきましょう。

70代・二人以上世帯の貯蓄「ゼロ世帯」の割合は?

まずは金融広報中央委員会が2021年2月に公表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020)調査結果」より、70代の貯蓄分布を確認しましょう。

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020)調査結果」

【70歳代以上・二人以上世帯】金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯含む)

  • 平均:1786万円
  • 中央値:1000万円

70代・二人以上世帯の貯蓄平均は1786万円です。平均は一部の富裕層に引っ張られる傾向にあるので、より実態に近い中央値をみると1000万円です。

分布を見ると、金融資産非保有、つまり貯蓄ゼロの世帯は18.6%と約2割を占めます。

貯蓄500万円未満で確認すると35.2%。生活費の足りない部分を補ったり、旅行へでかけたり、万が一の時に備えたりするとなると心もとない金額です。

一方で、貯蓄を2000万円以上保有する世帯もおよそ3割。

貯蓄額については現役時代の貯蓄や退職金、相続資産などによるものですが、世帯差が大きいことが分かりました。