「厚生年金」元サラリーマンはいくら受給しているのか

元サラリーマンや公務員だった方は、国民年金に上乗せして厚生年金を受給しています。

自営業者に比べて手厚い印象のある厚生年金。実際にはいくらぐらい受給されているのでしょうか。

厚生労働省年金局の「令和2年度(2020年)厚生年金・国民年金事業の概況」を参考に、平均などを見ていきましょう。

厚生年金の受給額

〈全体〉平均年金月額:14万4366円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万3808円

※国民年金の金額を含む

出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

厚生年金保険(以下、厚生年金)の年金月額階級別の老齢年金受給者数は以下の通りです。

1万円レンジごとに受給者数を見ていきましょう。

  • 1万円未満:10万511人
  • 1万円以上~2万円未満:1万8955人
  • 2万円以上~3万円未満:6万6662人
  • 3万円以上~4万円未満:11万9711人
  • 4万円以上~5万円未満:12万5655人
  • 5万円以上~6万円未満:17万627人
  • 6万円以上~7万円未満:40万1175人
  • 7万円以上~8万円未満:69万4015人
  • 8万円以上~9万円未満:93万4792人
  • 9万円以上~10万円未満:112万5260人
  • 10万円以上~11万円未満:111万9158人
  • 11万円以上~12万円未満:101万8423人
  • 12万円以上~13万円未満:92万6094人
  • 13万円以上~14万円未満:89万7027人
  • 14万円以上~15万円未満:91万3347人
  • 15万円以上~16万円未満:94万5950人
  • 16万円以上~17万円未満:99万4107人
  • 17万円以上~18万円未満:102万4472人
  • 18万円以上~19万円未満:99万4193人
  • 19万円以上~20万円未満:91万6505人
  • 20万円以上~21万円未満:78万1979人
  • 21万円以上~22万円未満:60万7141人
  • 22万円以上~23万円未満:42万5171人
  • 23万円以上~24万円未満:28万9599人
  • 24万円以上~25万円未満:19万4014人
  • 25万円以上~26万円未満:12万3614人
  • 26万円以上~27万円未満:7万6292人
  • 27万円以上~28万円未満:4万5063人
  • 28万円以上~29万円未満:2万2949人
  • 29万円以上~30万円未満:1万951人
  • 30万円以上~:1万6721人

上記のことから、厚生年金の特徴として以下のことがあげられます。

  • 全体平均は14万4366円だが、男女の平均は約6万円の差がある
  • 全体平均は14万4366円だが、ボリュームゾーンは月平均で9万円から10万円

つまり、平均だけでは実態がつかめないということです。

厚生年金の保険料は、収入に応じた等級により毎年決定されます。納めた保険料と加入期間に応じて年金額が決まるため、このような個人差が出やすいのです。

今回の調査は、実際に年金を受給しているシニアを対象としています。定年まで男性と同じ給与水準で働き続ける女性が少ない時代でした。これらの背景があるため、男女間でも差が出ていると考えられます。

今後は働く女性も増えると予想されるため、男女差は埋まるでしょう。ただし、個人差が埋まることはありません。むしろ働き方が多様化することで、平均と実態の乖離がさらに進む可能性もあります。