厚生労働省は2022年1月21日に、2022年度の公的年金支給額を前年度から0.4%引き下げると発表しました。

これは年金額改定の指標となる現役世代の賃金が下落した為で、2年連続のマイナスとなり、6月に支給される4月分から反映されます。

私は以前、生命保険会社に勤務しファイナンシャルプランナーとして多くのみなさんのお金にまつわる相談を受けてきました。その経験もふまえ、今回は男性に特化して現在のシニア世代の年金受給額事情を紐解きながら、老後へのお金の備え方についてお話ししたいと思います。

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公的年金のしくみ

まずは、日本の年金制度についておさらいしていきましょう。

国民年金(基礎年金)は、日本国内に住むすべての20歳から60歳未満の人を加入対象としています。

年金保険料は定額制(保険料額=基本額1万7000円×保険料改定率)をとっており、20歳から60歳の40年間すべて保険料を納付すれば「満額」(78万900円×改定率)が受け取れます。納付期間が足りない場合はその割合を満額から差し引く計算方式をとっています。

ちなみに、冒頭でご紹介したように2022年度の支給額は、40年間保険料を納付した満額1人分で前年度比259円減額の月額6万4816円となります。

一方、厚生年金は国民年金に上乗せする形で報酬比例の年金を支給する制度です。

そのため、勤務先にそもそも厚生年金の制度があるのか、どれだけの期間勤務しているか、毎月の報酬月額はいくらか、などが受給額を大きく左右します。

上記のことから、日本の年金制度は「2階建て構造」などと呼ばれています。