損切りと狼狽売りの違いが重要
初心者は損切りが下手だ、と言われる場合も多いでしょう。この場合の損切りは機関投資家の担当者の損切りとは意味が違います。機関投資家の担当者は損が膨らむと頭に血がのぼって「ここで大量に買って勝負だ」と考えるわけで、それを止めるための損切りルールです。
一方で初心者は「今売ったら損が確定してしまうから、売らずに持っていよう」と考えるわけです。株価が戻るか否かを冷静に分析するのではなく、「損を確定させないために売らずに持っている」というのは合理的な行動とは思われません。そこで「値上がりの可能性が低い株なら損切りしなさい」と言われるわけですね。
この場合の損切りは、冷静な判断として行なうもので、狼狽売りとは違います。自分の精神状態が冷静ならば売りの判断も良いでしょうが、狼狽している時には、まずは落ち着く事を優先しましょう。
今次局面で言えば、「バブル崩壊が始まった」のか「金融相場から業績相場への移行過程での一時的な下げ」なのかを考えよう、というわけですね。
その際に気を付ける事は、初心者は上がっている時には強気になり、下がっている時には弱気になりがちだ、という事かも知れません。冷静に、自分の癖について考えて見ることも重要かも知れませんよ。
本稿は、以上ですが、当然ながら投資は自己責任でお願いします。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。
塚崎 公義