お得なイオンの株主優待を獲得するポイントはこの通りですが、これを機会にイオンの長期投資家になる個人の方もいらっしゃるかもしれません。そこで、少しイオンの業績をおさらいしておきましょう。

まず、2017年2月期Q3累計(3-11月期)の業績を見てみます。営業収益は対前年同期比+1%増、営業利益は同+6%増の854億円、経常利益は同+4%増の850億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は若干の赤字縮小で▲173億円でした。

この赤字の部分が気になる方もいらっしゃるでしょう。そこで通期の会社予想を見ると、営業収益が同+3%増、営業利益が同+7%増の1,900億円、経常利益が同+3%増の1,850億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同+66%増の100億円となっています。

業績的には年末年始の収益が大きいため、このような収益推移を描くのがイオンの特徴です。また、イオンの事業は多角化が進んでおり、総合金融事業、ディベロッパー事業、サービス・専門店事業、ドラッグ・ファーマシー事業などが順調です。

SM(スーパーマーケット)・DS(ディスカウントストア)事業も利益を出していますが、総合小売事業(GMS)は相変わらず苦戦しています。

そして好調な事業ほど外部株主が多く、その分だけイオン本体の株主に利益が留まりにくいという特徴もあります。経常利益に対して純利益が少ないとお感じなる要因の1つがこれです。

ちなみに、2017年2月期の一株あたり当期純利益は会社予想によれば約12円です。また2016年11月末の一株当たり純資産は1,296円でした。

イオンの株価は2017年2月13日終値が1,689.5円でしたので、2017年2月期の一株あたり当期純利益の約141倍、一株当たり純資産の1.3倍です。この水準は東証1部全体と比較して高めと言えるでしょう。

これからイオンの株主になる皆様は、業績のいっそうの上昇をイオンに求めていく必要があると思われます。

 

椎名 則夫