なぜ性別で大きな差が生じるのか
厚生年金について、なぜ性別によって平均6万円もの差が生じてしまうのでしょうか。差が生じるカギは、上記した厚生年金の仕組みにあります。
厚生年金への加入は国民年金と違って義務はなく、また年齢制限も「下限なし~70歳まで」と幅広いです。加えて、支払う保険料と将来受給する額は、帰属する組織からの報酬額によって決まるため、人によって当然まちまちです。
平たくいうと、長く働きかつたくさん報酬をもらうと、受給額も増えるということです。
この点、女性の場合は結婚や出産のタイミングで退職したり、非正規社員に転換したりするケースが多いため、男性と比較して勤務年数が短く、報酬が少なくなりやすいということになります。
年金受給額はどうすれば増えるのか
では、年金の受給額はどのようにすれば増やすことができるのでしょうか。
国民年金については、対象期間や支払う保険料が一律であるため、受給額を変えていくことが難しいです。
ここで重要なのが、厚生年金となります。
上記の通り、厚生年金の受給額は加入期間と報酬額で決まります。加入期間に関しては、勤続年数を延ばすというのがまず選択肢になります。
女性の場合、結婚や出産などで難しい場合もあるかと思いますが、雇用する側の意識変化などもあって、社会の潮流としては正社員の継続を目指す女性が多くなっています。就職・転職する際、「女性の働きやすい職場が整備されているか」を重視するのも、大切ではないでしょうか。
報酬額に関しては、経験やスキルの向上を意識し、キャリアアップを図ることが選択肢になってきます。
女性の場合、「ダイバーシティ」の観点から女性の能力を高く評価する会社も増えてきているので、報酬が上がりやすいと感じることも多くなってくるのではないでしょうか。
将来のために「今から」動く
ご説明した通り、将来の年金の受給額を増やす手はあります。
漫然と不安を抱えたまま過ごすより、できることからコツコツ行動に移していくことで、将来の不安は解消されていくでしょう。
参考資料
石津 大希