総務省が2022年1月7日に公表した「家計調査(二人以上の世帯)2021年(令和3年)11月分」によると、2021年11月の二人以上の世帯の消費支出(実質)は前の年の同じ月を1.3%下回り、4カ月連続の減少となりました。

昨秋には新型コロナウイルスの感染は落ち着いていましたが、消費は伸び悩んだようです。最近では連日新型コロナウイルスの感染者数増加が報じられており、感染への不安とともに経済的な影響を懸念されている方もいるでしょう。

少し前の調査にはなります※が、厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査の概況」をみると、児童のいる世帯の雇用者所得(世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額で税金や社会保険料を含む)は651.8万円です。子どもがいるご家庭の平均的な年収は600万円台と考えられますね。

今回は子どもがいる家庭に視点を当てて、一般的な貯蓄や負債などお財布事情を見ていきましょう。

※編集部注:2020年の調査は新型コロナウイルスの影響で中止となっています。

子どもがいる世帯の平均「世帯年収600万円台」

まずは同調査より、子どもがいる世帯の年収やその推移を確認します。

出典:厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」

上記をみると、全世帯の平均総所得は552.3万円。そのうち雇用者所得は383.9万円です。

これを「児童のいる世帯」のみでみると、総所得は745.9万円。雇用者所得は651.8万円です。

2009年から2018年までの平均所得金額の推移も確認しましょう。

出典:厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」

全世帯では2008年の549.6万円から2018年の552.3万円までさほど変わりはありません。

一方で、児童のいる世帯は2004年の697.3万円から2018年の745.9万円まで、およそ50万円ほど増えています。さまざまな要因があると思いますが、共働きが増えているのもその一因かもしれません。

同調査によれば、児童のいる世帯で2010年に仕事をしていた女性は60.2%ですが、2018年には72.2%と、10ポイント増加しています。