「不労所得」という考え方も取り入れる

年収650~700万円の世帯では、まとまった貯蓄がある一方で住宅ローンや教育費の負担が大きく見られました。これにあわせて、年金だけでは生活できないといわれる現代においては、老後資金を準備する必要があります。

2019年には年金以外に2000万円が必要という「老後2000万円問題」が話題となりました。金額が大きい分、早いうちから準備を始めたいところですね。

先ほどの年収650~700万円世帯では貯蓄が約1200万円あり、そのうち預貯金は約700万円でした。もしもの時に備えた費用や、数年先に使う予定がある教育費等は預貯金等で準備しておく必要があります。

一方で、なんとなく置いているだけの資金や老後資金のように長期間使わない費用については、預貯金以外の選択肢も考えてみましょう。

お金は働いて得るものというイメージがありますが、働かないで得られる「不労所得」という手段もあります。

不労所得とは、働かずとも得られるお金のこと。株式投資から投資信託、不動産投資までさまざまな種類があります。

人ひとりが働くには時間も体力も限界があります。住宅ローンや教育費、老後資金とお金のかかることが多い現代。働いて稼ぐことにあわせて、働かないでお金を得る方法を考えてみてもいいでしょう。

たとえば先ほどの年収650~700万円世帯の貯蓄1200万円うち、300万円を年利3%・30年間で運用できれば、30年後には728万円になります(Ke!san「複利計算(元利合計)」にて試算)。働かずともこれだけお金が増やせると心強いですね。

ただ、運用なのでリスクはあります。とれるリスクやどの金融商品を選ぶかは年齢やご家庭の状況にもよるので、自分に合った運用を考えることが大切です。

一般的に40代は教育費や子どもの塾代、食費などの出費が増えます。その反面、住宅ローンの返済や子どもの進学時期・進学先の目安もはっきりしてくるでしょう。

65歳を定年とするならば、老後までおよそ20年ほどの期間もあります。20~30代に比べればやや安定的な運用を目指したいですが、まだリスクも取りながらの運用はできると考えられます。

長い目で見て、無理のない範囲で「長期間運用できる資金」を決め、不労所得という手段を取り入れるのも一つです。