2017年1月から、対象者が公務員や主婦などにも拡大し、20歳以上60歳未満のほぼすべての人が加入できるようになった個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)。非課税のメリットが大きいことから大きな注目を集めていますが、その一方で「NISA(ニーサ)との違いってあるの? ないの?」と疑問に思っておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、iDeCoとNISAの違いについてまとめてみました。

iDeCoとNISA。その概要を簡単におさらいする

iDeCoは、老後に向けた資産形成を行うための制度です。iDeCo口座を開設し、職業や勤め先などによって決められた拠出額(掛け金)の範囲内で、自分で掛け金を決めて拠出していきます。拠出額=掛け金が全額所得控除になり、運用益が非課税なので、積立期間が長期になればなるほど、節税と複利効果によって大きなリターンになる可能性があります。

一方2014年にスタートしたNISA(少額投資非課税制度)は、中長期の資産形成を応援する制度です。NISA口座を開設し、この口座で株や投資信託の取引をすると、その売却益や配当金、分配金が年間120万円まで、最長5年間非課税となります。現在のところ、新規口座開設は2023年までの期間限定となっています。

iDeCoとNISA、最大の違いは所得税や住民税が安くなるかどうか

投資をした際の運用益が非課税になるのは、iDeCoもNISAも同じです。ただし、掛け金の全額が所得控除の対象になるiDeCoと違い、NISAで非課税になるのはあくまでも運用益のみです。投資した金額は所得から控除されません。つまり、NISAの場合、所得税や住民税を節税できるメリットはないということです。

iDeCoとNISAでは購入できる商品にも違いがある

iDeCoとNISAでは、購入できる商品にも違いがあります。iDeCoの場合、購入できる商品は投資信託が中心となります。また、定期預金や保険など元本確保型の商品も選ぶことができますが、個別株式を購入することはできません。

一方NISAでは、個別株式に投資できることが最大の特徴です。その他にも、投資信託、REIT、ETFが投資の対象になりますが、iDeCoと違って定期預金や保険など元本確保型の商品を購入することはできません。

iDeCoとNISA、いざというとき現金化しやすいのは?

投資を始めてみても、結婚や出産などのライフイベントによって急にまとまったお金が必要になるということもあるでしょう。こうした場合、iDeCoとNISAではどちらが現金化しやすいのでしょうか。

実はiDeCoで積立を行う場合、原則として60歳まで引き出すことができません。一方、NISAで株式や投資信託などに投資したものについては、必要な時に売却して現金化することができます。つまり、流動性ではiDeCoよりもNISA、ということになります。

あくまでもiDeCoは老後に向けた資産形成のためのもの、NISAは今後5~10年に目を向けた資産形成のためのものだとお考えいただくとよいのではないでしょうか。

まとめ

iDeCoとNISAの違いはクリアになりましたでしょうか。それぞれ目的が違い、メリットも異なるということがご理解いただけたかと思います。

資産形成という側面から見れば、iDeCoとNISAの両方で運用するのが最も有効な手段であることは確かですが、今あるお金をすべて投資にあててしまった結果、当面の生活資金や教育資金に困るようでは意味がありません。いつ、お金が必要になるのか、ご自身のライフスタイルに照らし合わせて検討してみることをおすすめします。

参考:個人型確定拠出年金(iDeCo)、金融機関選びで失敗しないために

 

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LIMO編集部