市場再編は株価指数にも影響を及ぼします。日経平均は構成する銘柄の上場市場が1部からプライムに変更されます。ただ、現状ではプライムの上場維持基準を割り込んでいる企業であっても、改善計画書を提出すれば当面はプライムでいられることから、基準を満たさない企業の多くがプライムに残り、変化がないと指摘する声もあります。

来年の干支は寅年。相場格言では「寅千里を走る」です。株式相場にとっても元気のいい年になってほしいものです。

中長期的視点では上昇トレンドが継続

今年の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。大きな流れとしては、2020年3月19日の安値(1万6358円)を大底とする上昇トレンドに中にあります。

2018年10月、2019年1月と、2万4000円付近で上値を押さえられていましたが、2020年11月にこのあたりを突破すると、逆に2万4000円付近が下値サポートラインとなり、大きく上昇しました。その後は2021年2月16日の高値(3万714円)まで順調に上昇し、心理的節目となる3万円を突破しました。

ただ、その後は上昇一服といった様子で、調整含みとなり、8月20日には2万6954円の安値を付けます。しかし、そこから反転すると、9月14日には再度3万795円を付けました(いずれもザラ場ベース)。

もみ合いは続いているものの、2月の高値を更新しているところは注目に値します。チャートの形は悪くありません。8月20日の安値を割らない限りは上昇トレンドが継続されます。押しを入れながらも、再度2月16日の高値、9月14日の高値を更新していくことが期待されます。

楽しみなのは、そのあたりを抜けると、目立った節もなく、するすると上昇する可能性があることです。大げさでなく、史上最高値である、1989年12月29日の3万8957円も視野に入ってきます。大納会、大発会の価格に注目したいところです。

下原 一晃