一段と寒い日が増えました。暖房費が増えると、家計の管理に悩まされますよね。赤字にならないよう収入内でやりくりする家計管理能力は、老後の生活にも響いてくるものです。

いずれ定年退職を迎えると、私たちの主な収入源は年金のみ。この年金をベースにやりくりするためには、今から家計管理能力を高める必要があります。

今回は見込める年金額を眺めたあと、家計をやりくりする方法を考えていきましょう。

もらえる年金は2種類

まずは日本の年金制度をおさらいしましょう。加入する年金は、職業などでも変わります。

国民年金・厚生年金「しくみのおさらい」

自営業やフリーランス、専業主婦(主夫)など

自営業者などは、1階部分である国民年金(老齢基礎年金)のみの受給になります。毎月一律の保険料を納め、納付期間に応じた年金が受け取れます。ちなみに2021年度の満額は月額6万5075円です。

会社員や公務員など

会社員や公務員などは、国民年金にプラスして2階部分の厚生年金にも加入します。収入に応じた厚生年金保険料を納めることで、将来は国民年金を含んだ厚生年金を受給できるしくみです。

日本年金機構によると、「平均的な収入で40年間就業した夫」と「専業主婦の妻」の標準的な年金は月額22万496円でした。

本当は年金いくらもらっている?

満額やモデルケースの金額はわかりましたが、実際に受給している人の金額にはばらつきが見られます。今度は年金の平均受給額を深堀してみましょう。

国民年金(老齢基礎年金)の平均月額

全体:5万5946円

  • 男性:5万8866円
  • 女性:5万3699円

国民年金の平均は6万円弱で、男女差はほとんどありません。満額の6万5075円に比べると、1万円ほど少ないことがわかります。なんらかの事情で未納期間のある人がいるということですね。

厚生年金(第1号)の平均月額

全体:14万4268円

  • 男性:16万4770円
  • 女性:10万3159円

(※)厚生年金の平均年金月額には基礎年金月額が含まれます。

厚生年金の場合、男女差が6万円以上あるのが特徴です。厚生年金は収入によって年金額が変わるので、出産や育児で家庭に入る人が多かったシニア世代では、このような結果になったのでしょう。今後男女差は埋まると考えられますが、この結果から学びたいのは「男女差」よりも「所得によって差が激しい」という点です。

次では、受給額ごとの分布図もチェックしてみましょう。