旭化成(3407)は2017年3月期の第3四半期累計(2016年4-12月)決算を発表。

第3四半期累計決算は前年同期比で減収減益ながら、2017年3月期の通期会社予想に対して順調な進捗。会社側は通期会社予想を小幅に上方修正しており、株価に対して「ポジティブ」な印象だ。

決算ハイライト

第3四半期累計実績は、売上高が対前年同期比▲6%減、営業利益が同▲10%減、親会社株主に帰属する四半期純利益が同+25.0%増となった。

セグメント別の利益動向では、マテリアルセグメントのケミカル、ヘルスケアセグメントのクリティカルケア(着用型自動除細動器など)が利益を牽引した。ヘーベルハウスなど住宅事業は引き渡し棟数減、宣伝広告費増加で減益となった。

第3四半期累計の従来の会社通期業績予想に対する進捗率が順調なことから、同社はこれを小幅上方修正した。売上高を従来の1.83兆円から1.87兆円、営業利益は同1,450億円から1,530億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同990億円から1,060億円にそれぞれ上方修正した。会社新予想は市場コンセンサスを若干上回る水準とみられる。

ここに注目!

世界的に電気自動車への市場拡大が現実化する中で、リチウムイオン二次電池の重要部材であるセパレーターでは同社が世界トップを維持している。投信1編集部では、2016年3月期の第2四半期に連結した世界的なセパレーター企業のPolypore社の将来的な利益貢献に注目している。

LIMO編集部