今週半ばあたりから、欧米ではクリスマス休暇・年末休暇に入る投資家も増えてきます。市場参加者が少なくなると、株価が急に振られることもあるので柔軟に対応できるよう準備したいところです。
主要な移動平均線を回復できず、上値を押さえられる
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。ローソク足の実体は、25日移動平均線、75日移動平均線、200日移動平均線が収れんする2万9000円あたりにあります。
先週は、このあたりを超えられるかどうかが大きなポイントでした。実際には、200日線と25日線は超えたものの、75日線に上値を押さえられ伸びがありませんでした。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。中期的に見ると、現在は8月20日の安値(2万6954円)を大底に、10月6日の安値(2万7293円)を結ぶ上昇トレンドライン上にあります。12月3日にはそのトレンドラインのチャネルの下限付近で反発しました。
先週は伸び悩んだものの、チャートの形は悪くありません。というのも、75日線で上値は押さえられましたが、直近の戻り高値である12月9日の高値(2万8908円)を更新しているからです。短期的な上昇トレンドが形成されたので、今週、再度200日線、75日線、25日線を回復するかどうかが注目されます。
このあたりを超えたら、次の目標は11月16日の高値(2万9960円)、心理的節目となる3万円、9月14日の高値(3万795円)あたりになります。逆に、主要な移動平均線を超えられない場合、2万8000円との間で小幅な動きになるかもしれません。
また、直近の安値である12月14日の安値(2万8309円)を割ると、短期的な上昇トレンドが崩れ、12月3日の安値(2万7588円)を割り込むと、中期的な上昇トレンドが崩れてしまうので注意が必要です。ただし、それまでは押し目買いも入りやすいでしょう。
下原 一晃