FOMCのイベント通過でいったんは上昇したが
2021年12月17日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より520円64銭安の2万8545円68銭でした。
米連邦準備理事会(FRB)は15日、FOMC(連邦公開市場委員会)で量的金融緩和の縮小(テーパリング)の加速を決めました。従来、テーパリングを終える時期は2022年半ばと見られていましたが、それを3カ月早め、2022年3月とするものです。
22年中には計3回の政策金利引き上げを見込んでいますが、これらは想定内だったことから、FOMCのイベント通過に安心感が広がり、買われる動きとなりました。
今週の展開はどうなるでしょうか。16日の日経平均は、FOMCが無難に通過したことから終値ベースで2万9066円32銭と、11月25日以来の高値で終えています。しかし17日には、ほぼその上昇分が往って来いになりました。
米株式市場でも17日にダウ工業株30種平均が続落し、前日比532ドル20セント安の3万5365ドル44セントで終えました。想定内とは言うものの、やはり緩和縮小に伴い、株式市場でリスクオフの動きなると見られているようです。
米国だけでなく、英国や欧州、さらには日本でも中央銀行が金融緩和の縮小に動いています。米株のボラティリティが大きく、日本株も振られる可能性があります。日経平均も週初から連れ安になることも考えられるので注意が必要です。
また、国内では新型コロナウイルスの新規感染者数は落ち着いてきているものの、欧米ではオミクロン株の感染拡大が続くなど、依然として楽観できない状況です。オミクロン株は感染力が強いことから、一部の国や地域で行動規制が強化されていますが、これが続くと経済活動の再開にも影響を及ぼします。