トヨタ自動車(7203)は2017年3月期の第3四半期累計(2016年4-12月)決算を発表。第3四半期累計実績については、円安転換を背景に期待されていた収益改善が見られず、期待外れな印象。2017年3月期の通期会社予想の上方修正もやや物足りず、株価に対しては「ややネガティブ」な印象だ。
決算ハイライト
第3四半期累計実績は、売上高は対前年同期比▲6%減、営業利益が同▲33%減、当社株主に帰属する四半期純利益が同▲24%減となった。
2016年11月からの円安転換などにより、今回発表の第3四半期(2016年10-12月期)の収益回復が期待されたものの、営業利益は同▲39%減になるなど目立った改善がほとんど見られていない点は期待外れ。販売費用の増加に加え、北米地域におけるリース車両の残価低下に伴う金融事業の悪化が主要因のようだ。
しかしながら、残る第4四半期(2017年1-3月期)の前提為替レートの見直し(従来100円/ドルを110円/ドルへ)等により、2017年3月通期の会社予想は上方修正された。
営業利益は従来予想1兆7,000億円が今回予想1兆8,500億円(対前期比▲35%減)への増額。上方修正自体は既定路線だが、第4四半期を非常に保守的に見込んでいるため、増額幅に若干物足りなさがあることは否めない。
ここに注目!
投信1編集部では、今回、収益圧迫の顕著な要因となった北米地域(主に米国)でのリース車両の残価コスト増加に注視したい。この影響を2018年3月期にも引きずるのか否かが重要になる。逆に、この2017年3月期で出し切ってしまうならば好材料になろう。
また、決算とは直接関係ないが、2月10日に予定されている日米首脳会談の結果を踏まえ、米国での新たな投資拡大施策にも注目したい。
LIMO編集部